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第一部 六話〜七話挿話 【監察対象】


ヒロシは森から旅立つ前の晩、コルリルの様子をラボを使って監察していた。

コルリルは本当に信用出来るのか、信用出来ないならどうするか、注意深く監察し朝までに決断しようとしていた。



(昼間は研究にあれこれ言ってきたから

()()()()()()()()()()()()()()

今は大人しくしているな)


コルリルはヒロシからすると貴重な異世界の情報源だ、

彼女からはまだまだこの世界について知りたい事がある。

しかしコルリルが信用出来ない人物なら話は別だ。

信用出来ない人物からの情報程脆い物はない事をヒロシは前世でしっかり学んでいた。


(それに生きた妖精って!

ゴブリンや他の魔獣は散々解剖して調べ尽くしたけど妖精は初めてだ♪

彼女を解体して隅々まで調べたい欲求も中々捨てがたい♪)


ヒロシは内心で葛藤しつつ、今は様子をみるに留めていた。

しかし、もしコルリルが不穏な動きを見せたら即拘束し、解体に入る準備も出来ていた。


コルリルは与えた部屋の中をウロウロと飛び回っている。

ヒロシはラボを操作し一部の壁をマジックミラーのように変化させていた。

そこからじっくりコルリルを監察する。

ブツブツと独り言を言っていて、主にヒロシへの愚痴なようだった。


(まぁ普通は愚痴の一つも出るよね。

あれだけ振り回されてまだここにいるだけで凄いよなぁ

前世じゃ仲間と思った人もすぐ居なくなったからなぁ〜)


ヒロシは自分は他者に好かれない事はわかっていた。

自分は知識欲中心に生きているし、それを改めるつもりもない。

知りたい事ならどんな手を使っても、何をしても知る、

ずっとそうやって生きてきたし、

前世ではそれが原因で死ぬ事になった。

それでも、異世界転生しても、

ヒロシは自分の生き方を曲げるつもりはサラサラなかった。


だからヒロシはコルリルもすぐ去るだろうと考えていた。

ただ去るだけなら黙って見送るが、

こちらに敵意を持ったまま去るつもりなら解体して研究させて貰おうと決めていた。


(さぁ君はどっちかな??)


ヒロシは慎重に監察していると、コルリルが愚痴を止めた。

どうやらヒロシの性格も価値観の違いと考え認めるようだった。

これにはヒロシは少し驚いた。


(・・・へぇーさすがは異世界の人って感じかな?

今日の研究見て価値観の違いで片付けれるのは凄いなぁ)


ヒロシはコルリルが自分を拒絶しなかった事に不思議な感覚を感じた。

そしてコルリルが自分を拒絶しないなら、

ヒロシもコルリルを拒絶せずひとまず様子観察することにした。


(まぁすぐに考えが変わるかもだけど、今はアシスタントとして接してあげるか♪

いつ音を上げるか、明日からの旅が楽しみだね♪♪)


ヒロシはウキウキした気分になりながらコルリルの監察を終了した。

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