第一部 三十六話〜三十七話間 挿話 【尋問】
ヒロシは来たるエディとの決闘の前に色々と準備をしていた。
(エディとの決闘かぁ、色々やりようはあるけどまずは表向きは魔術の習得だな。
裏向きは・・・
どうしてやろうかなぁ♪♪)
表向きでは魔術の習得を目指しコルリルと修行をして、
裏ではあれこれと策を段取りしていた。
(刀を使うんだから事前に刀に細工もありだね♪
あるいは決闘場所が決まったらフィールドに仕掛けをする??
手持ちに厄介な魔獣をいくつか増やしたいし色々やる事多いなぁ♪)
ヒロシは正攻法以外の道を色々と模索していた。
(けどまずはエディの事を知らないとね♪
だから彼らが役に立つ♪)
ヒロシは今は少し傷が癒え、ラボを使えるようになったのでラボ内にいた。
今いる部屋はコルリルや、ずっとラボにいるフォシュラ達も知らない秘密の部屋、他の部屋からは隔絶され、ヒロシにしか入れない部屋だった。
「・・・さあ、そろそろエディの事を話す気になったかな?」
ヒロシは部屋に一人ではなかった。
部屋の壁には手足を埋め込まれ拘束された男女が数人居た。
全員傷の跡が生々しく残っている。
「・・・なにをされても、我らの忠義は変わらぬ!」
ヒロシに問いかけられた男が弱々しくもしっかりヒロシを拒絶する。
「あっそ。じゃあこうしたら話すかな?」
ヒロシは男の隣に拘束されている女の首にナイフを当てる。
女は怯えながらも叫びを上げたりはしなかった。
「無駄だ彼女も、訓練された兵士だ!
なにをされてもエディ様を裏切ることはない!」
彼らはエディの部下だった。
グリフォンの戦闘でかろうじて生き残っていた部下を、ヒロシはグリフォンとの戦闘をしながらしっかりゴブリンを使って回収していた。
「はぁ~なんであんなやつに忠誠なのかな?
あいつが何してるか見てきたでしょう?」
ヒロシは呆れながら尋ねた。
男はしっかりとした口調で応えた。
「エディ様は我らを救ってくれた!
貴様は知らんだろうが、数ヶ月前隣国が戦いを仕掛けてきた!
向こうは勇者の力を使い圧倒的な戦力で我が国に迫った、
我らは命をかけ国を守るつもりだった、しかしエディ様が現れて下さり、敵軍を全て退けたのだ!
あの方が刀を振るえば数千の敵兵が両断され、
敵の勇者も真っ二つにした!
おかげで我らは・・・」
「もういい」
ヒロシは話を遮り男の喉を裂いた。
「ゴフッ!」
男は血を吐き呻いたあとすぐに動かなくなった。
「君たちがエディに助けられたのはわかるよ?
けどその後エディが好き勝手しているのを見過ごしていたわけだよね?
エディのせいで傷付く人や死人まで出ても君たちは止めなかったわけだね??
そんな君たちには生きる権利はない」
ヒロシは男の死体を見て恐怖する女兵士を見下ろした。
「・・・君は話してくれるかな?」
ヒロシはナイフを女の眼球に近づける
女は気丈にもナイフを見つめ返し言い放った。
「貴様に話すことはない!他の者も同じだ!!好きにしろ!!」
女以外の拘束された兵士はすでにグリフォンから受けた傷で半死半生といった風情だったが力なく同調した。
「お、俺達は死ぬまでエディ様の部下だ」
「貴様には屈しない」
あくまで屈しない彼らにヒロシは少し苛立った。
「あくまでクズを庇うか。なら覚悟してもらう」
その後数時間ヒロシは半死半生の兵士達を巧みに拷問した。
痛みを激しく与えながらも絶対死なさないように加減しながら拷問する。
その手慣れた行いをみた女兵士は恐怖が増しわなわなと震えていた。
「さぁ残るは君だけだ、彼らはもう話せないしね」
兵士達はまだ生きていた、だが生きているだけで彼らは二度と何も話せないし、何も見れない、何も聞こえない身体にされていた。
「ヒィ!」
女兵士は恐怖に震え失禁した。
「粗相をするほど怖いなら話したらどう?
ちゃんと話せば君は生かしてあげよう♪
ちなみに聞くのはこれが最後だ。
エディの事を話せ」
冷たく言い放つヒロシの眼差しは屠殺される豚をみるような、およそ人間が人間を見る目ではなかった。その眼差しを見て女兵士は心が折れた。
「わ、わかった、は、話すよ」
女兵士は全て話した。
自分が知る限りのエディの情報を全て話した。
「なるほど、エディの刀は非常に高価な魔具で、下手な小細工は無駄で、
事前に何か仕掛けるのも無理、
しかしエディのスキルには少しだけインターバルがあるか・・・
ありがとう♪非常に有益な情報だったよ♪
約束通り君は生かしてあげよう♪♪」
ヒロシの言葉に女兵士は安堵した、
しかしラボが動き女兵士は診察台のような机に乗せられた。
「え?あの、え?」
戸惑う女兵士にヒロシは笑顔で笑いかける。
その笑顔は先程の冷たい表情よりよほど邪悪で異様な笑顔だった。
「君は生かしてあげる♪約束だからね♪
けど生かしてあげるけど何もしないとは言ってないね??
だから今からは拷問じゃなくて研究にするからね♪♪」
ヒロシの言葉に女兵士は恐怖の叫びをあげた
「いやっ!助けて!エディ様ぁ!!」
「大丈夫大丈夫♪絶対に死なせないからね♪」
ヒロシは研究を始めた。女兵士の叫びはしばらく部屋中に響いていた。




