第一部 二十八話 【魔族と世界について】
「魔族についてですか?」
ヒロシはバニラが魔族について話すと聞いて少し不満そうな様子だった。
コルリルから見て、ヒロシは魔族にはあまり興味がないように感じていた。
実際目の前に魔族が現れたら興味が湧くのかもしれなかったが、
今は違う事を知りたいようだったからだ。
「おや?ヒロシ様は魔族の話はあまり興味がないのかな??」
「あ、いえ、興味がないというより、魔族より魔術の話が興味があるので。
すみません、教えて頂く立場でこんな事を言って」
恐縮し謝るヒロシをバニラは豪快に笑い飛した。
「ははは!ヒロシ様は中々知識欲が貪欲だね!
良いんだよ?知りたい事を知りたがるのは知識を育むのに必要だからね。
だけど今は興味が湧かない事柄も、後に役立つかもしれないし、
知れば興味が湧いてくるかもしれないじゃないか??
それに魔術の事を知るには様々な事柄を満遍なく知った方が理解が早いからね」
バニラはヒロシを丁寧に説得する。
コルリルは絶対ヒロシは嫌がると思っていたが、
「わかりました。バニラ様のおっしゃる通りに致します」
このように、ヒロシがあっさり了承したのでかなり驚いた。
(あの勇者が自分の意見を変えるなんて!!)
「理解してくれてありがとうヒロシ様。
では魔族について話そうか。
コルリルもここからはしっかり聞いとくように!
最近の研究でわかった魔族の情報も話すからね」
コルリルは突然水を向けられ慌てたが、すぐに身を正し真面目に授業を受ける体勢になった。
「は、はい!よろしくお願いします!」
「よし、では魔族についてだけど、
魔族は人間の天敵とされている。
魔族は人間を襲い喰らう、しかも喰らう為に殺すのではなく、殺し自体を楽しんでいる。
彼らは空を自在に飛び、人間には不可能な魔術を使い、本能のまま人間達を蹂躙している。
彼らが最初に現れたのは500年前。
南大陸の南端に最初の魔族、今は魔王と呼ばれる者が現れたと文献には記されている。
あ、ちなみにこの世界は大きな二つの大陸で分けられているんだ。
北大陸と南大陸だ。
500年前は南と北、両方の大陸で人間が、亜人が妖精が、他の様々な種族が暮らしていたという。
しかし、魔族の出現により南大陸は終わった。
たった10年、たった10年で魔族は南大陸にいた種族を絶滅させてしまった」
そう言ってバニラは辛そうな表情になる。
バニラは南大陸には多数のリザードマンの種族がいて、その殆どが魔族に殺された明かした。
バニラの先祖は辛くも南大陸から逃れた一族であると。
「辛い話だ。私達の先祖や仲間が魔族に殺された。
私には彼らの無念が感じられるようだよ。
・・・さぁ話を戻すよ、
南大陸を制圧した魔族はすぐに北大陸へ侵攻するだろうと昔の北大陸の人々は考えた。
だからあらかじめ対策を講じていたんだ。
それが魔障壁。
南大陸と北大陸の間に今なお展開されている超弩級の大魔術だよ」
そう言ってバニラは世界の縮図を黒板に描き出す。
バニラの地図が正しいなら南大陸は全長数十万キロ以上の巨大大陸で、
北大陸はその半分くらいの大きさだった。
そしてその間に展開されている魔障壁は、巨大な南大陸を、全て北大陸と隔てるくらいの大規模魔障壁だった
「バニラ様?!本当にそんな超巨大な魔力の壁が作れるんですか?!
しかも500年前からまだ展開されっぱなしってありえないでしょう!?」
ヒロシが思わず大声を出し驚きを見せる。
コルリルにはその気持ちがよくわかった。
自分も最初にこの話を聞いた時は絶対ありえない!と驚いたものだった。
「本当だよ、確かに普通に考えたらありえないよね。
魔障壁は私も使える、しかし大砲を防げる強度で、だいたい数時間身の回りに展開出来るくらいだ。
対して大陸間の魔障壁はあらゆる攻撃を無効化し、数十万キロの長さがあり、高さも地上からは見えない程だ。しかもそれが500年近く展開されている。
はっきり言って規格外の大魔障壁だよ。
今なおあの大魔障壁がどうやって維持されているのかは解明されていない。
何故かどうやって大魔障壁を作り出したのかは全く記されていないからね。
真実を知るのは大魔障壁を使った魔術師だけだろう」
「はぁ〜ここは凄い世界ですねぇ。
僕の居た世界ではそんな大規模建造物はありませんでした。
一度その障壁を見てみたいなぁ~」
大魔障壁を見たがるヒロシにバニラはキョトンとする。
「ん?大魔障壁ならもう見えてるじゃないか?」
そう言って窓から空を指すバニラ、
「あの方向の空は魔術で空っぽく見えてるけど実は大魔障壁の壁面だよ?
よーく見てみたらわかるよ」
そう言われヒロシは目を凝らし観察する。
コルリルも改めて観察する。
「あ!本当だ!手前の雲は動いているのにあの周囲の雲は全く動いていない!
え?!あれ全部壁?!嘘だろ?!」
大魔障壁を確認し驚きを隠せないヒロシ。
ヒロシの珍しく慌て驚く様を見てコルリルは何故か凄く嬉しかった。
「ふふん♪ヒロシ様?あれが大魔障壁ですよ♪
私は知ってましたけど初めてみたら驚くでしょう??」
「なんでコルリルが得意気なんだい」
自慢気に話すコルリルにバニラが突っ込む。
ヒロシはまだ驚いて魔障壁を観察していた。
「いやぁ〜すご過ぎて正直理解が追いつかないなぁ〜
てかコルリル?あんな凄いもの早く教えといてよ?!」
我に返ったヒロシがコルリルに抗議する。
コルリルは知らんぷりした。
「私は言おうとしましたよ〜
けどヒロシ様が聞かなかったんじゃないですかぁ〜」
また口論が始まりそうになったのでバニラが無理矢理授業を再開しようとする。
「はいはい!じゃあ授業を再開するよ!
ヒロシ様?これで簡単にではありますが魔族と二大陸の事はお伝えしました。
今までの所でなにかわからない事はありますか??」
バニラに質問されコルリルへの追及を止め考え出すヒロシ。
「うーん、じゃあ魔族は何故人を襲うんですか?魔王とやらの目的は??」
「それはわからない。魔族達はちゃんとこちらの言葉は話せるんだが、
ほとんど対話はしてくれないからね。
魔族を捕虜にした国もあるらしいけど、
死ぬまで何も話さないようだ。
魔王については文献でしかわからない、本当にいるのかもわからない。
おそらくまだ南大陸の奥地にいるのでは?という仮説が一般的だね」
「うーん、よくわからないのですが、
魔族は南大陸から来るんですよね?
けどあんな立派な大魔障壁があるのにどうやって来るんですか??」
ヒロシの質問にバニラは目を輝かせる。
「ヒロシ様は本当に頭が良い!
それは今から話す北大陸の事に繋がるんだ。
ヒロシ様が言うように大陸間には大魔障壁がある、
だから障壁展開から約300年は魔族が現れない平和な時代だったんだ。
しかし200年前、とうとう魔族は障壁を超える術を見つけ北大陸に現れだした。
魔族が現れ当時の北大陸の国々は大慌てだったよ。
私はその頃まだ子どもだったけど国々が慌てる世間の雰囲気は未だによく覚えている」
「え?バニラ様って今おいくつですか?」
ヒロシがバニラの話を遮り質問する。
「あぁ〜そうかヒロシ様の世界では人族しかいないから寿命は同じと思うよね。
私は今はだいたい200歳を超えたあたりかな?
もう数えるのもめんどうだよ〜」
おどけたように話すバニラにヒロシは驚愕しているようだった。
コルリルからすると種族によって寿命が違うのは当たり前なので、また驚いているヒロシを見れて嬉しかった。
(普段マイペースな勇者が慌て驚いている様。
見ててストレス発散になるわぁ〜)
コルリルが内心でスカッとしていたらバニラがこちらにも話を振ってきた。
「私は200歳で、リザードマンはだいたい400歳くらいまで生きるから今は人間でいう40歳から50歳って所だね。
コルリルだってこう見えてヒロシ様よりかなり年齢が上じゃないかな??
妖精族は寿命が極めて長いからね」
バニラの言葉にヒロシがコルリルをまじまじと見つめてくる。
コルリルは少し恥ずかしくなった。
「ちょっ!そんな見ないで下さい!
私の歳ですが今年で520歳になります。
妖精族は数千年は生きるのが当たり前なので私はまだまだひよっ子です」
コルリルの歳を知りヒロシはさらに驚愕したようだった。
「コルリル520歳なの?!ババァだったんだ?!」
「誰がババァですか!??」
ヒロシの失礼過ぎる物言いにコルリルは魔術で吹き飛ばしてやろうとする。
確かにコルリルは520年生きているが、妖精族の寿命と合わせて考えるとまだまだ若者と言って良かったからだ。
魔術を詠唱しだそうとしたコルリルにヒロシが質問する。
「え〜じゃあコルリルなら魔族の正体もわかるんじゃないの??
520年生きてるなら魔族が現れだした時の事も知ってるだろう??」
「そ、それは」
ヒロシに質問されコルリルは言葉を詰まらせた。
「ヒロシ様、妖精族は基本的には自分達の里からは出ないそうだ。
里も高度な魔術で隠されているから外界との繋がりは全くない。
コルリルはその中でずっと暮らしてきたので知らない事もたくさんあるんだよ。
そうだねコルリル??」
見かねたバニラが助け舟を出してくれる。
コルリルはすぐに飛び乗った。
「はい、そうなんです。だから私は魔族や人族の昔話は全然知らなくて。
里から出たのも最近で・・・」
「そうなんだぁ〜
コルリルはなんで里から出たの??」
ヒロシがさらに質問してくる。
コルリルはこの質問が一番困った。
「えーと、それはぁ〜」
「はいはい!雑談はここまで!授業に戻るよ!」
バニラが無理矢理質問を遮り授業を再開してくれる。
コルリルは非常に助かった。
(バニラ様ありがとうございます。
こういう気遣いしてくださるのが優しいなぁ〜)
コルリルはバニラの優しさに感動して尊敬の眼差しで見つめる。
バニラは苦笑しながら授業を再開した。
「さて、魔族達は200年前から大魔障壁を超え北大陸に侵攻してきている。
最近の研究でわかった事だけど、魔族達はどうやらスキルを使って大魔障壁をすり抜けてこちらに侵攻しているようなんだ。
スキルとは勇者様が神から与えられる唯一無二の物なはずなんだけど、どうやってスキルを得たのかはわかっていない」
バニラの言葉に今度はコルリルが驚愕した。
「バニラ様それは本当ですか?!
魔族がスキルを使うなんて?!」
コルリルが驚いているとヒロシが質問してくる。
「520歳のコルリル?それはそんなに驚く事なの??」
「・・・吹き飛ばしますよ??
スキルは勇者にしか使えないんです。
私達はどんなに努力しても、どんな魔術でもスキルは使えません。
けど勇者は努力すれば魔術や剣も扱える。
だから勇者は特別視されているんです」
バニラは笑いながら二人のやりとりを眺めていた。
「ははは。二人は本当に仲が良いね。
まぁ魔族がどうやってスキルを使ったのか今はわからない。
だからまずは目先の課題が優先だね。
魔族にどう対処するかだ。
さて、200年前の北大陸の国々は魔族の襲来に大いに慌てた。
特に北大陸の南の国々、魔族達に一番に襲われる国の人々はすぐに準備する必要があった。
当時は勇者はいなかったから、魔術師や剣士達が一致団結し魔族に戦いを挑む事になったんだ。
すぐに戦端は開かれ激戦となった。
魔族は確かに強いが、大魔障壁をすり抜けてこれる数はかなり少なかった。
数で押す人類に魔族も手を焼き戦いは一進一退のままおよそ50年続いた。
その50年は【時の戦い】と呼ばれている。
では何故【時の戦い】というのか?
それはその50年が勇者召喚の為の時を稼ぐ戦いになったからだ。
北大陸の北の国々の人族は南の国々が時間を稼いでいる間に魔族への対応策を考えた。
それが異世界より勇者を召喚し、魔族と戦ってもらう方法だ。
勇者召喚についてはまた後日話すけど
とにかく北の国々は勇者召喚に成功した。
最初に七人の勇者が召喚され、一騎当千のスキルを使い、【時の戦い】を終わらせて南の国々を救った。
その後は各国に勇者召喚方法が共有され、次々と新しい勇者が現れだした」
コルリルはバニラの話す勇者召喚の歴史をなんとなくしか知らなかったのでかなり勉強になった。
(はぁ~今までなんとなくしか勉強してなかったからこれは改めて学ぶのも面白いなぁ)
コルリルは感嘆し、ヒロシは無言で授業に集中していた。
「二人とも良い集中力だね!授業ももう少しだから最後まで集中を切らさないで!
さて、新たな勇者が続々と現れだし、一気に人類の反撃かと思われたが、魔族達も大魔障壁をどんどん越えだした。
勇者達の力でもなかなか一気には倒しきれない魔族の戦力。
しかも勇者という新たな力を得た国々がお互いに争いだした。
それまでは人類同士で争えば即魔族にやられ破滅だったんだ、
しかし勇者が現れた事により人類に余裕が生まれてしまった。
余裕は欲望を産み
欲望は争いを簡単に引き起こした。
国々で戦い、勇者も動員し総力戦。
【時の戦い】の次の50年が【醜い戦い】
と呼ばれている。
その50年が人間同士で争い、魔族への対応も遅れ、結果多くの国々が滅びた醜い戦いだったからだ。
そうして約100年前、ようやく人類同士の戦いも落ち着いた、
魔族達は南大陸の南端辺りを巣にし、縄張りを作ってそこから人類を攻撃していた。
魔族の勢力は【時の戦い】や【醜い戦い】ほどじゃ無くなっているものの、
それなりの数が南大陸の南端に生息している。
さらに大魔障壁からもたまに増援が現れているようだ。
各国は勇者を召し抱え戦いに備えている。
魔族は戦闘を仕掛けてはくるが、何故か過去の戦のような大規模戦闘にはならない。
そんな膠着状態がだいたい100年続いているのが今の世界情勢だ。
長くなったけどヒロシ様?なにかわからない事はあったかな??」
バニラが一通り話し終えヒロシに質問する。
「はい!魔族達は何故急に攻めるのを止めたのでしょうか?
【時の戦い】や【醜い戦い】の間は攻めてきていたのに、なぜ今は攻め手を緩めているのか、大魔障壁から何故魔族が現れにくくなったのか。
色々気になります!」
ヒロシは意気揚々とバニラに質問する。
コルリルもヒロシと同意見で、魔族達が何故攻めを緩めたのか分からなかった。
「そうだね。私も気になるよ。
けどそれは未だわからないままなんだ。
魔族達の事は本当によくわからない。
意思疎通も取れないし、要求もしてこない。
大魔障壁の向こう側はどうなっているのかもわからない。
わからない事が多すぎて推測も出来ないくらいなんだよ」
「え?人類も大魔障壁の向こう側には行けないんですか??」
ヒロシがキョトンとして質問する。
「うん。あの障壁は本当に頑丈でね。あらゆる魔術を無効化するし、当然上や下、横から回り込む事も出来ない。
かつては魔族を抑える為の大魔障壁だったけど、魔族がこちら側に現れた今は、人類が攻めることを防ぐ壁になってしまった」
「じゃあもしかしたら向こう側の人類が魔族になにかしたのでは??
だから魔族達は攻め手を緩め今は様子見しているんじゃないですか??
魔族からしたら南大陸から増援が充分じゃないまま北大陸の人類と戦争になれば敗れるかも、
そうしたらせっかく苦労して巣を築いたのに台無しだ。
だから今は南大陸側で魔族が人類を抑えるまで、こちら側の魔族達は様子見に徹してるとか?」
コルリルはヒロシの意見にかなり驚いた。
コルリルからすると南大陸には人類はいないというのが当たり前の常識だからだ。
南大陸は魔族の物、人類は絶滅した。
それが当たり前だった。
けど実際それは確かめられたわけじゃない。
ずっと大魔障壁で隔てられてるんだから、南大陸の実情はわからない。
コルリルは言われてみれば当たり前の事を改めて気付かされかなり衝撃的だった。
「た、確かに!向こうにも人類がいるかもですね!
ヒロシ様凄い発想です!」
「いやいや、なんとなく思っただけだからね。
もしかしたら全然違う理由で魔族は攻めてこないのかもだし」
「けどヒロシ様の意見はかなり参考になりますよ!
バニラ様はどう思われますか??」
南大陸の人類が生きているかもしれない、そんな仮説に興奮したコルリルはバニラに質問した。
しかしバニラはブツブツと独り言を言って聞いていなかった。
「・・・なるほど・・・いやしかし・・・
でもアレは・・これはもう・・・」
自分の世界に浸っているバニラにコルリルはおずおずと話しかける。
「あの〜?バニラ様??」
バニラははっ!とした様子で我に返った。
「あ!ごめんごめん!ヒロシ様の仮説があまりに面白いからついね!
けど南大陸の人類生存説はなかなか面白いよ!
この世界の常識に囚われた私達では出ない発想だ!」
バニラはヒロシの仮説をかなり良い風に受け取ったようだった。
コルリルも、ヒロシの仮説通り南大陸に人類がいるなら嬉しいと思った。
「ヒロシ様!仮説を証明するためにも魔族達との戦い頑張りましょう!!
こちら側の魔族を倒して、南大陸になんとか行って、人類が生き残っているか確認しに行きましょう!」
「ははは♪コルリルったら気が早いよ♪
僕はまだまだこの世界について勉強中なんだから♪
今はバニラ様の授業を受けてしっかり自分を磨く事にするよ♪
けどいずれ南大陸に行きたいね~」
こうしてヒロシとコルリルに目標が出来た。
南大陸の人類生存を確認する。
大きい目標だがコルリルはやる気が湧いてきていた。
「良いね~!勇者と妖精の南大陸冒険記の始まりって感じだね!
君達が南大陸に行くときは是非知らせてくれ!僕も力になりたいからね!」
バニラはヒロシとコルリルを微笑ましく見て激励してくれた。
「ありがとうございますバニラ様!
けどまずはヒロシ様の言う通り授業をして知識をつけないとです!」
「うん。ちゃんと学び、力をつけ、しっかり準備する。
冒険の為には一番大事な事だね。
そのためにも、明日からもしっかり授業させてもらうよ!」
最初の授業でヒロシとコルリルは新たな目標を発見出来た。
コルリルは明日からの授業もより楽しみになった。
しかし、
翌日
「・・・済まない、もう授業は出来なくなってしまった。
本当に申し訳ない」
バニラは意気消沈しコルリルとヒロシに授業終了を告げたのだった。
コルリルには訳が分からなかった。




