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第一部 十六話〜十七話間 挿話 【研究対象】


ヒロシは盗賊達を使い人体実験を行うことにした。

この世界で初めての人体実験にヒロシはかなり興奮していた。

すでにバーン兄妹は仲間になるよう命じて一旦隔離している。

彼らが命令を理解し納得するまでの間でゆっくりと研究をするからだ。

特に研究するのがこんなクズ盗賊達なのでヒロシは何の遠慮もなく研究が出来るのが嬉しかった。


(あぁ!久しぶりの人体実験!しかも新しい素材がたくさん!高まる!!)


もしバーン兄妹が命令を拒否した場合、この研究がかなり役立つはず。

そう判断しヒロシは実験室の音をバーン兄妹の部屋に届くようにラボを作り替えていた。

盗賊達は全員拘束され恐怖に目を見開きながら震えている。


「それじゃ始めようか♪♪」


検体1

性別男性

おおよその身長165センチ体重50キロ

こちらを見て恐怖に震える様子あり、

まずはゴブリンの血液100ccを注入してみる。

注入後すぐに全身が痙攣しだす。

発熱と震えがしばらく続くも、

3時間27分で死亡。


(ふむ、ゴブリンの血液は毒としてはあまり使えなさそうだ。死ぬまで3時間以上かかるならあんまり使い道ないしね

せいぜい武器に使って補助効果を得るくらいか)


※検体1に体格が酷似していた検体2 検体3 に、注入する血液の量を増やし試すも死亡時間まで大きな変化なし。


結論

ゴブリンの血液は毒としては弱い。

しかし、違う環境や他の薬剤等との混合も試す価値はあり。


検体4

性別男性

およその身長190センチ 体重120キロ

かなり筋肉量が多い個体。

こちらを睨みつけ反抗する様子あり。

森で採取したミミズ型の魔虫の実験を行う。

草木を主食とするこの魔虫は三日前に捕獲してから絶食させている。

現在は捕獲時よりかなり凶暴性がましたのか容器の中で狂ったように暴れている。

この魔虫を検体の体内に入れる事にする。

まずは検体の口から挿入する、

抵抗はあるが、魔虫を中に入れることに成功。

すぐに反応あり。

検体は苦悶の表情を浮かべ激痛の叫びをあげる。

吐血あり。しかしまだ死には至らず。

魔虫が体内で全身を這い回る様子あり、

腕の筋肉を食い破り、脚の腱を食いちぎり、

腹の中を暴れ回り、

最終的に喉から飛び出した所で検体の死亡を確認。時間は3分12秒

魔虫は再度捕獲する、体長が挿入前より数倍になっている、要経過観察。


(この魔虫は使えるね♪飢えさせたら草木以外も食べるようになるとは!まだ数百匹はいるはずだけど大事にしないと♪)


検体5

性別女性

およその身長170センチ、体重140キロ

女性の検体はフォシュラを除けば検体5のみだった。

検体5は研究開始時よりこちらに対し、性行為による取引を持ちかけてきている。

仲間の盗賊を売るような言動もありよほど助かりたい様子。

研究5には毒沼の針を試す事にする。

毒沼の針を首筋に刺す。

刺した瞬間多量の吐血有り。

目や耳からも大量出血があり、血の勢いで鼓膜は裂け眼球が飛び出してくる。

出血多量で程なく死亡する。


(ワァオ♪毒針やばいなぁ♪人間に刺したら即死だね!

コルリルの言う通りこの針の管理はめちゃくちゃ慎重にしようと♪)


検体6 検体7 検体8 検体9


この4体は種族が異なる。

全員亜人という種族らしい。

青い肌、小さな角、碧眼の瞳、

鋭い牙や爪、なんと尻尾まである。

体格は人と同じくらいだが、

明らかに人とは違う身体だった。

よって彼らの事をよく知るために実験ではなく解剖にする。


まずは検体6を解剖する。

麻酔はなし、胸から腹を一気に切り、開く。

激痛に苦しむ様子あり。人の言葉を話していたが、切られてからは亜人語?のような言葉を叫んでいる。

他の検体に通訳させると、お母さん!と叫んでいるらしい。

体内を観察する。血液は青。しかし内臓は人間とほとんど変わらず、血液自体も色以外は特に大きな変化は見られない。

程なく出血により死亡、出血死までの時間も人間と変わらず。


検体7.検体8

同様に解剖する、個体差による内臓の変化なし。

検体5と変わらない結果に終わる。


検体9

必死に命乞いをしている。

恐怖からか失禁し、助けてとしか喋らない。

恐怖による耐性が低いようなので、別室に移送し、長期間のストレス実験を行う。

暗闇の部屋に閉じ込め定期的にゴブリンによる死なない程度の拷問を実行し、経過観察する。


(亜人と人間は内蔵にほとんど差がなかった。

じゃあなんで見た目が変わるのか。

遺伝子が違うのか、あるいは別の要因か、

まだまだ解剖したりないね♪)


検体10

性別男性

身長170センチ、体重60キロ

魔術を使える個体であるとわかる。

簡単な火の魔術と水の魔術、あとは治癒魔術が使えるようだった。

治癒魔術の有効性について実験する。

検体10の指を切り落とす。

魔術で治療させてみるが、血は止まり傷口は塞がるも新しい指は生やせないようだった。

同様に足指や陰茎、睾丸、耳を切り落とし治療させてみるがやはり傷口を癒すのみで新しくは生やせないようだった。

眼球をくり抜いたが目に見えなくとも、傷口の治癒は可能だった。

しかし、舌を切り落とした場合は詠唱が出来ずそのまま出血により死亡してしまった。


(治癒魔術と言っても万能じゃない。

無くなった身体は戻せない。

この検体の腕が悪いのか、あるいはこれが治癒魔術の限界か、まだまだ興味は尽きないね♪)


検体11.12.13については今後の事も考えて温存する事にする。

ラボにて保管し、試したい事が出来たら実験再開する事にする。



ヒロシは一通りの研究を終え一息ついた。


(まぁこんなもんかな?

雑すぎるレポートだけど、まぁどこかに発表するわけでもないしいいか♪)


ヒロシの研究は本職の研究者からすればずさんな研究と言われても仕方ないものだったが、

しかしヒロシはそれでも良かった。

ヒロシは自分が知りたいから研究しているので、知りたい事を知れたらそれで満足だったからだ。


(さて、バーン兄妹はどうしてるかなぁ??)


ヒロシはバーン兄妹の部屋に行き様子を確かめた。

部屋に入るとフォシュラはガタガタと震えながらヒロシを睨んできた。

ディロンはそんなフォシュラを守るように身を挺して庇っている。


「大丈夫だよ♪君達は僕の仲間になって働いていもらいたいんだから酷いことしないよ??」


ヒロシは優しい声をかけるが二人はまったく警戒を緩めなかった。


「はぁ〜やれやれ♪君達は僕に捕まったんだよ?

サイマール国じゃ君達は捕まったら死刑台行きらしいから、君達は僕の仲間にならないなら死ぬしかないんだよ?

だからよ〜く考えてね?仲間になれば外に出してあげる♪

働きいかんでは解放してあげるかも♪

どっちが得かわかるよね??」


ヒロシの言葉に二人は少し思案する様子を見せた。


「ふふふ、じゃあ一晩ゆっくり考えてね??」


ヒロシはそう言って部屋を後にした。


(まぁ多分落ちるだろ♪

彼らは研究しちゃうよりも仲間にして色々手伝ってもらうほうが効率良さげだからね♪

さぁてそろそろコルリルの所に帰るかぁ〜♪)


ヒロシは明日久しぶりにコルリルの所へ戻ろうと決め、満ち足りた気持ちのままゆっくりと休んだ。

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