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8.ラッキー、棚からデートだわw

イケメンは助けないとねw

「あの~私も何かお手伝いしましょうか?」

そろそろ、クラインの暗い顔を見るのが辛くなってきたので、

リョウはそう提案してみる。


「え?いや、、しかし、、、」クラインは一瞬顔を明るくしたが、又暗い顔になり思案に没頭する。

「いやでも冒険者成り立てだし、、でも一人でも戦力が、、ん~」暫く思案していたが、フット顔を上げて暫くリョウの顔を見る。


なに?なに?あんまり見つめられると、、、恥ずかしいww

今度は脳内お花畑のリョウが顔を下に向ける。


「リョウは回復魔法は使えるのか?」クラインがそう聞いてきた。


「え?は、はい使えますけど?」

どういう事か判らないリョウは首を傾けてみる。


リョウ本人はあざと可愛いを演出してるみたいだ、全然通じてはいないが。


「良かった?!回復魔法を使えるなら、冒険者レベルが引くても討伐戦に参加出来るんだよ!」

満面の笑顔になったクラインが、リョウの手を取って、そう告げる。


リョウは、冒険者登録の時説明された緊急時マニュアルを思いだした。ボイン嬢の事を記憶の彼方に追い出していたので、すっかり忘れていた。


確か、、回復魔法が使える教会関係者&冒険者はレベルに関係無く、緊急事態の時は回復作業の為、強制的に討伐参加させる。だったかな?


「そうなんですか?お役に立てそうで良かったですw」

「そうなんだよ!ありがとうリョウ!」クラインはそう喜んで頷く。


「頑張って回復します。」

「期待してるよリョウ!」

何はともあれ、イケメンの笑顔が復活して良かった。

リョウは「全て片付いたら、美味しい物たべたいなぁ~。」

クラインに聞こえる様に少し大きめの声で呟いてみる。

「この町は小さい割に旨い飯屋があるんだ、全てが終わって落ち着いたらリョウを連れてってやるよ」

クラインがリョウのデカイ、演説の様なw

独り言を拾って、そう言ってくれた。


「やった~クラインさん大好きぃ~w」

どさくさに紛れてプチ告白してみるリョウ。

どうやら、この世界では貪欲に愛を求めて生きて行くつもりのようだ。


「じゃ~多分2日の内には連絡するから、宿を取ったら、冒険者ギルドに伝えといてくれな」

リョウのプチ告白は気付かれずに終わった。

クラインは準備の為部屋から出て行った。


もう、折角頑張って告白したのに軽くかわされちゃったなぁ~。

でも、落ち着いたら食事には一緒に行けるし、、あ!それってデートになるんじゃ~w

やだ~ぁ~。二人でデートかぁ~えへへ~。

本当に端から見てたら、助走付けて殴られても文句が言えないレベルの脳内お花畑であった。


「失礼します。」再びトビラが開く。

最初に案内してくれた、若い騎士が入って来た。

「褒賞金をお持ちしました。ご確認下さい。」

そう言ってリョウに皮袋を手渡す。


あら?さっきの?成る程、さては私に逢いたくて、理由を付けて来ちゃったな?もう~しょうがない子ね~w。

しょうがないのは、リョウの頭の中である。


リョウは皮袋の中を確認して、「はい、確認しました。」と笑顔で若い騎士に答える。


「では、お手数ですがこの紙にサインを下さい。」

若い騎士が差し出した紙を受け取る。


ま、まさか婚姻届?!サインさせて私を自分の物にしようと、企んでるの?いや~ん。

サインしながら、妄想全開で若い騎士を見る。


「又、魔物と対峙した時クラスの威圧&緊張感が、、、」

若い騎士はリョウを見て、やっぱりこの人は強者なんだな!と確信する。


やはりお互いの思考は交わる事無く、平行線で終わる。


出口迄若い騎士に見送られる。

「あ!近くに宿は有りますか?」

リョウは探すのが面倒なので、若い騎士に尋ねる。

「それでしたら、通りを真っ直ぐ歩いて右に曲がった所に何件かありますよ?」

「そっかありがとう」

「いえ、どういたしまして」

リョウは教えられた道を歩き出す。

暫く歩いて、リョウはフッと立ち止まり若い騎士の名前を聞いて無い事に気づいた。

でも、名前聞いたら私が気があるかも?って思っちゃうかな~?うふふ。

安い、5流恋愛小説の様な妄想をしながら、再び歩き宿迄だすのだった。



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