7.イケメンの話しを聞くのだわ。
リョウは期待値が高過ぎるんですぅ~w
待合室の様な所に通され「こちらでお待ち下さい。」そう言って青年騎士は行ってしまった。
テータ.クラインさん何の用かなぁ~。
やっぱり私の事を、、「君が男でも関係無い、俺は君を、、」とかなったらど~しょ~w
困っちゃう~えへへw
リョウの脳内お花畑に色とりどりの花が咲き始めた頃「コンコン」とドアをノックする音が聞こえた。
「待たせてすまない。」テータ.クラインが入って来た。
「いえ、大丈夫です。待つのは慣れてるんでw」
と不思議な返事をリョウが返す。
「??、、あぁ~そうか、、、」
不思議な返事に、少し困惑気味にテータ.クラインも返事を返す。
「所で此方に来て貰った要件だが、」
テータ.クラインがそう切り出すと、待ってましたとばかりに、リョウが目を輝かす。
「今回騎士団が助けられた事の褒賞金を出すので、、」
「え?褒賞金?」
想像していた事と違った答えに、リョウの顔から輝きが消える。
「そうだ、金貨30枚でどうだろうか?」
テータがどうだと言わんばかりにリョウに告げる。
「はぁ、、、」
明らかに落胆顔のリョウを見て、テータ.クラインは首を傾ける。
それもそのハズ、金貨30枚とはこの世界で2年程度は何もせず食べて行ける金額だ。
「まさか、少ないのか?」
まぁ、騎士団6人の命の値段と考えてたら、安いと感じたのだろうか?とテータ.クラインは考える。
ならば、「金貨もう何枚かなら何とか、、」
テータ.クラインがそう言いかけた時「違うんです、それで大丈夫です。」とリョウが被せ気味に答える。
「騎士団も今は余裕が無いので、納得してくれたら有難いが、、、」
テータ.クラインが申し訳なさそうに、リョウを見つめる。
リョウは少し顔を紅くしながら、「全然大丈夫です。他の事を考えてまして。」
「他の事?」
テータ.クラインがリョウに聞き返す。
まさか、脳内お花畑の話しをする訳も行かず、咄嗟に「何故、あんな時間にテータ.クラインさん達騎士団の皆さんがあの場所にいたのかなぁ~って。」と答える。
「私の事は、クラインと呼んでくれ。リョウは命の恩人だしな、気安く呼んでくれ。」
「じゃ~クラインさんで。」
リョウが顔を少し紅くする。
良い感じだよね?もう私の真実の愛は見つかりました。えへへw
と、リョウが脳内お花畑で最早、蝶々迄が翔びはねている。
「騎士団が外にいた理由だが、、」クラインは途端に暗い顔になり、口を閉じる。
少しの沈黙。
リョウはクラインの顔を眺め、唇スベスベだな~とか、良い体つきだなぁ~とか、やっぱりあの俳優に似てるイケメンだなぁ~とか不埒な事を考えていた。
「リョウなら言っても大丈夫か、、、関係者以外は知らされてないのだが実は、、」唐突に沈黙は破られクラインが重い口を開く。
クラインの話しを要約すると
①最近町の近くでゴブリンの襲撃が相次ぐ様になった。
②何処か町の近くでゴブリン集落が出来てるのでは?
③騎士団が調査に出る。
④町からそう遠くない山奧でゴブリンの集落らしき物を発見した。
その発見報告の帰り、ゴブリンに襲われたらしい。
又、赤色のゴブリンは主にゴブリンロードの小間使いなので、ゴブリンロードがいる可能性がある。
「ゴブリンロード事態は討伐対象Eなのだが、下っぱの数が多いと最高D迄討伐ランクが上がって、小さな町では対処が厳しくてな、、」
討伐対象Dとは冒険者レベルでDチーム2~3組位で対応する、だが下っぱのゴブリンの数が多いとそれに応じて、チームや人を増やす事になる。
ちなみに冒険者成り立てのリョウは冒険者レベルEだ。
「今日冒険者ギルドにも討伐要請を出したのだが、この小さい町ではレベルの高いチームが居なくて、最高ランクがDチームだけなんだよ、、」
「しかも2チームしか居なくて、、」
クラインが苦々しい顔をする。
「ゴブリンの数は多いのですか?」
「推定150体~200体程だろうか?もう少し増えるかもしれないが。」
クラインが更に渋い表情を作る。
ゴブリンロード+下っぱ150体~200体程度。
今回なら、レベルDチームなら3~4組は欲しい所だ。
騎士団が同時に動くとしても、最低3組は必要だ。
「ダンジョンも何も無い小さい町だから、高レベルの冒険者チームなんて滅多に寄らないしな。」
「冒険者ギルドが近隣に連絡を送ってくれてるが、近くに今、高レベルの冒険者チームが居なくてな。」
クラインが暗い顔を更に暗くする。
「騎士団も小さな町だから、編成部隊が2部隊だけしか居なくてな、、」ため息混じりにクラインが告げる。
「編成部隊が2部隊だけ?それって全員で何名いるんですか?」
「全員で15名だ、だが戦える者は13名で、事務の内勤者が2名、非戦闘員だ。」
ゴブリン達に対して圧倒的に人手が、戦闘員が足りなかった。




