66.怪しい人物なのだわ。
「お待たせしました、こちらが素材報酬になります」
ギルド職員がカウンターに報酬を並べる。
「おおー!」
ライドの目が輝く。これで又酒が呑めるとでも思っているのだろう。
「ご指示通り全て金貨等にしています」
リョウは報酬を分けやすいように、最初にギルド職員にお願いしていたのだ。
「しめて、金貨44枚(440万)と大銀貨8枚(8万)になりますお確かめ下さい」
リョウは報酬を数え、受領のサインを書く。
「一人頭金貨11枚と大銀貨2枚ね」
「良かったこれで装備をもっと良い物にできる」
マルザがそう言うとイメルダも頷く。
人数制限のせいでダンジョンに潜れなかったので、資金が底を付きかけていたのだ。
「リョウ借りてた宿の金返しとくよ」
ライドはリョウは借りて板金を返す。
「確かに、お金持ったからって無駄遣いしない様にね」
「リョウは俺の母親か!わかってるよ」
ライドがリョウに苦笑いで返す。
「とりあえず、3日後位に又ダンジョンに潜る?」
マルザが皆に提案する。
「俺も相棒を整備に出したいから、それで良いぜ」
ライドがバトルアックスを触りながら答えり。
「私も少ししたい事あるから、それで大丈夫よ」
リョウも賛同する。
「では、皆3日後の朝に宿屋の食堂に集合でどうだろうか?」
イメルダが皆の顔をみながら尋ねる。
皆頷きを返し、それぞれギルドを出て行った。
「さてと」
リョウはギルド併設の酒場に向かって歩いて行く。
レッドバッファローの関係者と思われる冒険者に接触する為だ。
実は孤児院からの帰り道にツバイから怪しい人物の情報を貰っていたのだ。
ツバイ曰く、怪しいのだがなかなか尻尾を掴ませ無い人物らしい。
しかもほぼソロで動いているから、情報も漏れて来ないと。
その人物の近くを通り顔を確認する。
冒険者レベルCで剣士のカーネギー24歳。
ツバイに聞いてた通り、爽やか系の青年だった。
「確かに爽やか系ではあるけれど、あの作り笑顔が胡散臭いわね」
リョウは酒場の席で女の冒険者チームと仲良く談笑している青年を見る。
雰囲気は爽やかな青年だからか、女性冒険者チームも好印象で話をしている様だ。
「男見る目無い女子だわねw」
リョウも他人の事を言える程見る目が有るわけでも無いし、経験もない癖に何故か自分は大丈夫と思い混んでいる。
やはり頭の中ではお花が咲いているのだろう。
リョウはカーネギーから距離を取りながら、横目で様子を伺う。
どうやら、これから女性冒険者チームと共にダンジョンに潜るみたいだ。
「さて、どうしょっかなぁ~」
リョウはカーネギーをどう調査するか思案を始めるのだった。




