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60.情けは人の為ならずだわ。

「たく、冗談に容赦ね~な」

「あら、私も冗談よ?」

「な、訳あるか!俺の大事なアレを思いっきり潰そうと狙ってただろうが!」

「マルザ達が止めにこなきゃ~ブツブツ」

「まぁ、リョウ殿その辺で」

「そうそう、第一ライドのバッチイそうだし」

「ばっ!俺は綺麗にしてるぞ!」


四人が他愛ない会話をしながら、ボス部屋を目指していると何かの事が聞こえた。


「なんだ?あ、あれは!」

ライドが森の方で何かを見つける。

「魔物と好戦してるみたいだな」

マルザも目視出来たようだ。


リョウ達が近付くと、一組のパーティーがブラッドアクリスと言う魔物と戦っているのが見えた。

ブラッドアクリスと言う魔物は、キラーアクリスより一回り大きく、角から無数の管みたいな物が出て相手の血を吸い上げる魔物だ。


「何か冒険者側が劣勢みたいね」

リョウは現状把握しそう評価する。

「あいつらは、巨大な上に素早いしな。あの無数の管も厄介だ」

唯一戦った経験のあるライドがリョウ達に教える。


「どうする?加勢するのか?」

マルザがリョウに問いかける。

「どうなの?加勢して欲しいか聞く?」

「そうだな、お節介って思われるても困るしな」


「じゃ~ライド聞いてきて」

「何で俺なんだよ?リョウが聞いて来れば良いだろ?

「か弱い私にいけと?ライドは鬼か?」

「どこがか弱いんだよ!どこが、、」

ライドは精一杯拒否した。

「はやく、行ってきなさい」

リョウが右手をニギニギしながらライドの下半身を眺める。

拒否が無駄だと悟ったライドは戦い中のパーティーに聞きに行く。

「助けてほしいらしいぞ~」

ライドがリョウ達に告げに戻ってきた。


「しょうがないわね~。マルザ、イメルダ行きますか」

「私はいつでも良いぞ」

「私も大丈夫」

ブラッドアクリスと戦っているパーティーを助けに向かう。


「助けにきたぞ!」

ライドが声をかける。

「すまない、恩にきる」

ブラッドアクリスの吸血管を捌きながら、パーティーのリーダーらしき40代位の男がライドに礼を言う。


「ポーションを持ってないか?そこに倒れてる奴は重症なんだ」

見れば大柄な男が一人倒れている。


イメルダが自身のポーチからポーションを出し、大柄な男に振りかける。

「ゴホ!」

男が意識を取り戻したようだ。全快とまではいかないが、傷は塞がっている。


マルザやライドが加勢に入りる。マルザが横から剣で攻撃を重ねる。

ライドが後ろ足を狙いながら攻撃を仕掛ける。

「ぎゃおおお~」

ブラッドアクリスの叫び声が木霊する。

助けたパーティーのメンバーも連携して攻撃した所で、イメルダがブラッドアクリスの眉間に剣を突き立てた。

「どし~ん!」

ブラッドアクリスはついに絶命した。


「助かったよ、私は空の風の剣士でリーダーのヤフだ。」

「オイラは斥候ツバイってんで」

「カナン魔法使いだよろしく」

「助けてもらってすまない、タンクのモールだ」

助かったパーティーがリョウ達に挨拶する。


「私は、、、ねえうちのパーティーて名前あるの?」

「あるに決まってるだろ?登録した時にイメルダが言ってただろ?」

「え?そうだっけ?」

「このパーティーは太陽の光ですよ」

ライドとリョウのやり取りに、イメルダがたまらずリョウに告げる。


「え~太陽の光のリーダーリョウ魔法使いです」

「同じく剣士のマルザだよろしく」

「イメルダ剣士よ」

「で、俺がライド戦士だ」

お互いの挨拶が終わりリョウは事情をたずねる。


「ブラッドアクリス一体に苦戦しなさそうなパーティーだけど何かあったんですか?」

「いや、4体迄は倒したのだが安堵した所で今の奴に奇襲を受けてな突然の事だったからモールが庇ってくれたのだ。」

「それで倒れたモールを庇いながらの戦いだったから、ジリ貧になって困ってたんだ」

ヤフとカナンの話しを聞きリョウは成る程と頷く。


空の風と太陽の光のメンバーで難なく転位魔方陣の部屋迄辿り着けた。

「私達はモールの身体の事もあるし、一旦地上に戻るよ」

「何かあれば今度はこちらが助けるからな!」

カナンとヤフがそういって地上に戻って行った。


「さて、ボスだわ皆用意はいい?」

リョウが皆に尋ねると、全員が大きく頷く。

ボスがどんな感じか、リョウは少しワクワクしてボス部屋のとってに手をかけた。


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