52.魔道具屋店主アンナ登場だわ。
女将に案内され2階の部屋に通される。
「こちらでございます」
中をのぞくと、入って右手がトイレ左手にシャワー室、奥にベッドがあり机と椅子に窓がある、一般的な一部屋だ。
「それではこれが部屋の鍵です」
女将から鍵を受け取ると、忙しいのかさっさと降りて行った。
隣の声は聞こえない、今は外出してるのだろうか?
「サイレント(無音)」
リョウは一応部屋に魔法をかける。これでリョウが解除するか、強制的に魔法を破らない限り音がもれる事は無い。
「今日は街でも散策するか~」
リョウはシャワーを浴び、街ブラをする為宿屋を後にする。
市場や露店を覗きながら、定期周回の乗り合い馬車を利用し西から北の鍛冶工房&魔道具屋区画にやって来た。
東の宿屋から乗り合い馬車に揺られる事、1時間少しかかった。
中心部が貴族街と領主の館が円形にあり、その外周部を囲む様に円形で街が広がっている為、仕方ないと言える。
「ま、一回足を運んでマップのその場所にピン止めすれば次は転移出来るしね」
リョウはお気楽な感じで、魔道具屋を物色する。
鍛冶工房も魔道具屋も、大小様々な店が乱立して賑やかだ。
表の広い主道面には大きな店や工房が並び、後ろに行く程小さい店や工房が増えている。
又、道も入り組んでいる。
リョウはマップ機能を駆使しながら、良さげな店にピンを差し、いつでもこれる様にしていく。
魔道具屋区画の奥の更に奥、こんな所に客来るの?と言った雰囲気の一件の魔道具屋があった。
風情があると言えば聞こえは良いが、色々な種類の道具が所狭しとうず高く積まれ、店の奥に申し訳無さそうにある狭いカウンターに老婆が座っている。
「生きてるのかしら?」
もし死んでいたとしても、驚きはしない。リョウはそう思った。
「生きているさね、失礼な子だね!」
目の前の老婆は、老婆とは思え無い凛とした口調でリョウに話しかける。
その様子に少し驚きながら、リョウは心を落ちつかせる。
「何か欲しものや、探してる物が有れば何処あるか教えるよ」
老婆はリョウに伝える。流石に主だけあって何処に何があるか?乱雑に置いてる品物を把握してるみたいだ。
「今は特に欲し物は、、」
リョウが冷やかしだったら不味いかな?そう思いながら、めぼしい物を探すが見当たらない。
「そうかい?ならいらないアイテムや魔石があったら買い取るよ?」
老婆の言葉にリョウは空間収納に何かあったかな?とストレージを見る。
食糧にゴブリン討伐時の魔石、ゴブリンロード&クィーンの魔石はリョウが倒したので貰っている。
持っててもしょがないしとリョウはゴブリンの魔石を出す。
「おやおや、ゴブリンの魔石だね。一杯あるがEクラスだね、袋一般的でも銀貨5枚って何処だね。」
リョウが出した魔石を素早く鑑定する老婆。
リョウは一つ気になる事がありゴブリンロード&クィーンの魔石を出す。
「おや!これは少し珍しいね。ゴブリンロードとクィーンの魔石じゃないか。状態はBクラス、これなら二つあわせて金貨6枚だね。」
老婆がまたしても、素早く査定し値段を出す。
「お婆さん、真の鑑定眼持ちだね。」
リョウは確信を持って老婆に問う。
「おや、良くわかったね?」
実は鑑定魔法ではゴブリンロード&クィーンの魔石は名前が??になる。
上級鑑定か真の鑑定眼と呼ばれる特殊スキル出ないと、名前が出ないのだ。
老婆が上級鑑定の魔法を唱えて居なかったから、真の鑑定眼のスキルだとわかった。
スキルの類いは詠唱は必要無いからだ。
「私は上級鑑定使えるからね」
リョウは理由を説明した。
「成る程ねぇ~で魔石は売るのかい?」
「売るよ、お婆さん信用できそうだからね」
「そりゃ~有難いねぇ~。後お婆さんはよしとくれ、まだそんな年じゃ~ないんだ、アンナって呼んどくれよ」
「アンナさんね、了解したわ」
「じゃ~魔石の代金だ、確信しとくれなw」
リョウは、ゴブリンロード&クィーンと一般ゴブリンの魔石袋一杯でしめて、金貨6枚に銀貨5枚を受け取る。
「他には無いのかい?」
老婆ことアンナに言われリョウは収納空間からマジックバッグを取り出す。




