50.光の街アルメンだわ。
3時間少々馬車に揺られただろうか?その間3人はワイワイ女子会を楽しんだ。
「着きました」
馬車が止まった。リョウ達は身分証を提示するために一旦馬車から降りた。
「ここがアルメンかぁ~」
アキアより優に3倍以上は有りそうな広大な街が目の前に広がっている光景にリョウは驚いた。
門で身分証を提示して、アルメンの門をくぐる。
「ではリョウ君手間をかけるが、このまま憲兵の詰所迄来てくれ」
隊長ライルの言葉に従うリョウ。
「リョウ殿世話になった、私達で出来る事が有れば手伝うので、その時は冒険者ギルドの受付に話してくれ」
「私達は仲間探しをしてくるね、又ねリョウさん~」
マルザとイメルダがそう言い手を振りながら去って行く。
「ではその時はよろしくね~」
リョウも手を振り返し憲兵隊について行く。
盗賊の監視役の憲兵二人は女子会のせいなのか?何故かげっそりしていた。
憲兵隊の詰所にて色々な書類にサインをする。
「では懸賞金の計算後に受け渡しと言う事で、明日の昼頃にもう一度この詰所に来てくれ」
隊長ライルの言葉に頷き詰所から出る。
「さてと宿を決めないと」
リョウは賑やかな街並みを散策がてら宿を探す事にした。
この街は中央が白い壁で囲まれた所があり、そこから東西南北に街並みがきれいな円形上に広がっている。
街並みを見ながら歩いていると「アルメン案内所」と書かれた看板を見つける。宿を探しているリョウは店の中に入った。
「いらっしゃい」
70歳は過ぎているだろうか?老婆がカウンターの中に一人で座っていた。
「宿屋を知りたいんだけど?」
「お前さんこの街に来たばっかりかぃ?」
「今さっき来た所」
「そうかい、ならアルメンの地図を買って行きな、宿屋や食事所、鍛冶工房に魔道雑貨店迄細かく網羅してるよ」
「じゃ~一枚下さい」
「一枚銅貨8枚だよ」
リョウはお金を渡し地図を受け取る。
「ヒァ~ヒッヒ、もう一枚違う地図があるがどうするね?」
老婆がまるで大釜で何か煮ている魔女のごとき口調で、リョウに聞いてくる。
「もう一枚枚?それには何が載ってるの?」
リョウが老婆に聞き返す。
「ヒッヒッヒ、男の楽園の地図さねw金額や女のタイプ別に詳しく載ってるよ?こっちは銀貨2枚だ。」
男の楽園行きのチケットはかなり高価らしい。
やり手ババアじゃん、怖っ!
「私はいらないわ、女なんて必要ないもの」
リョウが老婆の言葉を軽くいなす。老婆はシワシワの細目を少し大きく開いた。
「おや、アンタは、、そうかい、そうかい。成る程ヒァヒッヒィ、なら男娼の館の地図はどうだい?男前と酒や食事を楽しめる店も網羅してるよ?これは銀貨一枚さねww」
リョウは頭を振りながらため息をついた。フフ、私も馬鹿にされたものだわ~ふぅ~やれやれ。
そして、、、(お婆様)に銀貨一枚を払った。
「まいどあり~ヒァヒッヒ~」
リョウが案内所を出るまで、老婆の笑い声が響いていたとかなんとか。
「違うのよ!別に行く訳ではないのよ!ただ、、ただ地図を買っただけ、それだけなんだから~」
誰に言い訳しているのか?一人でブツブツ言いながら、地図に載ってる宿屋に向かう。
アルメンの地図を見ると、リョウが入って来たのは東門で門は東西南北4つ有るみたいだ。
街は円形になっている。
東門から南門迄の区画で宿屋や冒険者ギルド
等が有る。
南門から西門迄が所謂、歓楽街や飲み屋街。男の楽園や男娼の館等か有る。
西門から北門迄が鍛冶工房や魔道具屋等が立ち並ぶ。
北門から東門迄の区画に光のダンジョンが有るらしい。
そして中央の壁に囲まれた場所が貴族の街で更にその中心が領主の館が有るらしい。
憲兵の詰所は東西南北に1ヵ所づつと、貴族街の出入口2ヶ所の計6か所、更に憲兵本部が光のダンジョンの近くにあるらしい。
各区画にはそれぞれ商店街があり、屋台も色々出てるらしい。
そして各々の門迄は定期的に馬車が出ているらしい。料金は銅貨2枚。
人口はアキアの推定6倍の5500~6300人程。
「そりゃ~歩いてたら時間かるわ!本当に広いわね」
リョウは地図をみながら、自分が宿屋の近くの東門から入ってた幸運を噛み締めるのだった。




