5.初恋の人は忘れられないものだわ。
初恋かぁ~甘酸っぺ~w
「助かった、ありがとう」リョウの側迄イケメン騎士がやって来た。
その顔をみて、リョウはボーッとしてしまう。
「大丈夫か?」
リョウが固まった事に、イケメンは不思議に思い訊ねてくる。
「あ!別何でもないですょw」やっと可動したリョウは精一杯の笑顔で答える。
「そうか?なら良いが、、」
「申し遅れた、俺はアキアの騎士団長のテータ.クラインと言う、危ない所本当に助かった。不意を突かれて全滅する所だった」
と再度頭を下げて来た。
「いや、本当に大した事は、、たまたまだったしね。」
リョウは再び頭を上げる様に促す。
「、、、名前を聞いても良いかな?」
テータ、クラインがリョウの顔を覗き込んで聞いてきた。
「あ!リョウと言います、旅の途中でして。」
間近のイケメンに、少し顔を紅く染ながらリョウが答える。
「旅の、、冒険者なのかな?」
「いえ、まだ冒険者登録はしていなくて。」
「そうなのか?見事な魔法だったので腕の立つ冒険者かと思ったのだが、、暗くて良く見えなかったが、近くで見るとまだ幼い顔をしているな。」
「歳は?」
「あ!18歳です。」
しかもイケメンが、真っ直ぐリョウの顔を見てくるので、リョウはますます顔を紅くする事になる。
その姿はまるで、初めて女の子を好きになった男子中学生みたいな感じだ。
いや、今時の中学生の方がまだマシかも知らない。
ただ、言い訳するならこのイケメンは、似て居るのだ。
髪は金髪だし、目の色も淡いブルーで違うのだか、リョウが初めて恋愛に興味を持った、、、
初めて同性を意識しオネェだと自覚した、イケメンのテレビ俳優に。
あれから、28歳に成るまで色々な人に恋心を抱き、告白出来ず数十回失恋しても、やっぱり初めての人(付き合ってもいないが。)は特別なのである。
「兎も角助かった、リョウは今からアキアに行くのか?」
「その予定なんですが、門はいつ頃開きますか?」
辺りはもう青白く、そろそろ日が出て来ようとしていた。
「大体もう少し日が出てからだが、俺達と一緒なら入れて貰えると思う、一緒にどうかな?」
特に断る理由も無いし、リョウは一緒に行く事にした。
「アキアに帰還するぞ!」と他の騎士達に声をかけをして移動する。
他の騎士達ににリョウも馬に一緒に乗せてもらい、町迄一緒に行った。
町に行く途中助けた騎士達から代わる代わるお礼を言われ、その度にリョウは「たまたまですから。」と切り上げる。
イケメン騎士の横顔を見るのに必死なのである。
それから暫くして、ようやくアキアの町に到着した。
門番に騎士達が声をかける「そういえばリョウは、身分証は今有るのか?」
テータ.クラインに聞かれ「それが無いのです、何処で落とした様なんです。」
町に到着して聞かれたら、そう言おうと考えていた理由を告げる。
「そっか、俺がなんとかするから」
とイケメン騎士団長は笑顔をみせる。
門番にイケメン騎士団長が「俺達が保証するから、恩人なんだ。」と門番に話し町に入れて貰う事ができた。
「冒険者登録するなら、登録カードが身分証代わりになるから早目に登録した方が良い。冒険者ギルドはその建物だ。」
とテータ.クラインから聞く。
「そうですね、早速今から登録してきます。」
「うん、登録したら騎士団の建物に来て欲い。」
「騎士団の建物ですか?」
「そうだ、冒険者ギルドの建物から西に行った直ぐの建物だ。」
「あ、判りました。」
「では、又な。」
後で逢いたいなんて、、、もしかしてテータ.クラインさん私の事を、、、いやんw
見る人が見ると、討伐されかねない顔で冒険者ギルドの建物に入るリョウであった。




