49.旅は道連れだわ②。
それから体感3時間程経っただろうか?
「あそこです!」何やら声が聞こえた。
声の方を見るとイメルダが憲兵隊と大型の馬車を先導しながらこっちに来るのがわかった。
「こいつらだな!」憲兵は未だ魔法によって眠りについている盗賊をみる。
その憲兵隊中でも位が高そうな男がリョウ達に歩み寄る。
「冒険者のリョウと言うのは?」
「私です」
「君か、いや~お礼を言う。私は憲兵隊長のライルだ。こいつらは犯罪者指定ランクCのお尋ね者でな、その上狡猾でなかなか捕まらず我々も手を焼いていたのだ」
「そうなんですね、協力できて良かったです」
リョウはチラッと盗賊を見て簡単に捕まえれたけどな~?っと心の中で呟く。
犯罪者指定ランクとは、国が犯罪者が犯した罪により懸賞金をかけて討伐推奨をしているランク制度である。
生きてるか?死んでいるか?で懸賞金も変わる。
情報を引き出せるかどうかだ。高ランクの犯罪者程横の繋がりや、犯罪組織に加担してる者が多くて情報も持っている事になる。
今回リョウは7人全て生きて捕獲しているので、懸賞金の額も其なりになる。その為マルザは手柄を貰う事を固持したのだった。
「おい、盗賊達を馬車に乗せろ」
隊長の言葉に隊員達が大型の馬車に盗賊達を乗せる。イメルダが予め説明をしていたのだろう。眠っている盗賊を運ぶ手段を確保して来てくれたのだった。
「盗賊達と一緒で悪いが、良かったら馬車に乗って行かないか?」
隊長ライルの提案に、リョウはマルザ達をみる。
「私達は言葉に甘えよう」
イメルダも頷く。リョウもどうせならと隊長の提案にのる事にした。
馬車の中は乗り合い馬車の様になっており、15人位詰めたら乗れる感じになっていた。
盗賊7人リョウとイメルダとマルザに見張り役の憲兵2人乗ってもまだ余裕がある。
「それでは、出発!」
隊長のライルの掛け声と共に馬車が動きだす。
「それにしてもリョウ殿は凄腕の魔法使いなのだな」
マルザがリョウに話しかける。イメルダも同意とばかりに頷く。
「そんな事は、、それより剣士二人に僧侶一人って、不思議なパーティーですね?」
リョウがマルザに気になっていた事を聞く。
マルザとイメルダは少し苦い顔をする。
「実は、元々私とイメルダの二人だったんだ。しかし(光)のダンジョンに潜るには規定で、4人以上のパーティーでないと駄目なのだ」
「それでメンバーを募集したのだけど、実績の無い私達の所に入ってくれる人がいなくて」
マルザとイメルダが交互に教えてくる。
「やっと、僧侶のアーレスが入ってくれたが、人数が足りなくて、、」
「アーレスも僧侶成り立てで冒険者になって経験が無いし、人数的にもダンジョンも潜れないから、護衛の任務を受けて経験をさせながら、メンバーを見付けようって話しで、、」
「成る程ね、所でそのアーレスは?」
僧侶のアーレスが居ない事にリョウは今気付く。
「向こうで待っているのだろう?」
マルザがリョウに答える。
イメルダが顔を塞ぎながら、マルザから目を背ける。
「それが、今回の護衛任務が余程怖いと思ったのか、、メンバーを抜けると去っていったのよ」
「、、、はぁ?あの程度で?、、、」
マルザはイメルダの話しに驚く。
「まぁ、ダンジョンに潜れなくて良かったんじゃない?これくらいで怖じ気づくなら、足で纏いになるし」
イメルダのもっとな意見にリョウは頷く。
「それでもやっと見つけたメンバーが、、又振り出しか、、」
マルザは落胆の色を見せて落ち込むのだった。
目的地に着く迄、3人は色々な話しをした。
リョウは自分がオネェさんだと言う事も。
「そうか、まぁ趣味は人各々だからな」
マルザは気にしていない風だ。
「リョウはさんの好きなタイプは?」
イメルダは色々興味があるみたいだ。
「、、、、、」
「、、、、、」
監視目的で乗っている騎士達は、無視を決め込むようだ。リョウをチラッと見て、顔色が少し悪くなる。
「失礼しちゃうわ、別に襲ったりしないのにぃ~」
リョウは頬を膨らませるも、イメルダとの話しがノッテ来たからか、直ぐに忘れたのだった。




