44.人は見かけによらない物だわ。
「リョウが探してる奴なら確か」ハリーが手伝ってリョウの読みたい書籍を探してくれた。
「ハリーさんありがとう」
「大体俺はどこにいてもクエスト時以外は、図書館や図書室に籠るってるからな」
「本が好きなんですか?」
「それもあるが、、」
ハリーは何故か言い辛そうに言葉を捻りだす。
「人見知りなんだ」
「え?ええ~?」
リョウは顔を真っ赤にしてるハリーを見つめた。
ハリーは少し強面、精悍な感じの20代後半の青年だ。タンク役と言う事もあり、身体付きはゴツイ。歴戦を物語様にその身体にはいくつもの傷跡が残っている。そんな男が人見知り、、リョウはこの世界に来て1位と言う位の衝撃を受けた。
「それで、必要時以外話をしなかったんですね、私はてっきり無駄話とかしないタイプの人かと、、、」
「別に話しするのとかは嫌いじゃないんだが、この見た目だからか、リョウの抱いた印象の様な感じに思われて、、」
リョウはハリーがなんだか可愛く思え思わず笑ってしまう。
「笑うな!」ハリーは抗議の声を上げる。
「図書室ではお静かに!」
図書室の管理者だろうか?お年寄りな職員に二人共注意を受けて退室させられてしまう。
「ごめんなさいね、私のせいで追い出されてしまって」リョウはハリーに頭を下げた。
「いや、俺の方こそリョウに注意したのに、大声をだしちまって」っと頭を下げる。
「ふふふ」「ははははぁ~」
お互い頭を下げた先で目線がぶつかり、どちらも笑いあう。
「俺で良かったら、この世界の事教えるけど?」
「本当ですか?」
図書室の書籍は持ち出し禁止なので、又行かないとと思っていたリョウは喜ぶ。
「じゃ~良い所があるんでそこに行きましょう」
以前女子会した店なら、個室だし人見知りのハリーさんでも大丈夫だろうと、リョウはその店にハリーと共に向かうのだった。




