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41.それ!もぐわよ?だわ。

ギルドマスターと共に西の外れの資材置場に転位したリョウ。

「さてと、聴かせて貰いましょうかね?ギルド'マ'ス'ター様w」

「違うんだ、俺は、、リョウ!何処に手を置いてるんだ!」

リョウの右手が動けないギルドマスターの下半身を掴んでる。

「もういらないよね?これ?もいじゃおっか?」

「ダメ~いる、いります!もがないでぇ~」

リョウが下半身を掴んでる手に力を込める。

「本当にらめ~お婿に行けなくなるぅぅ~」

ギルドマスターの悲痛な叫び声が誰も居ない資材置場に飲み込まれる。


ギルドマスターは全力でリョウに説明した。

リョウが町に来る一年前には騎士団の受付嬢と良い中になってた事。

受付嬢からアプローチしてた事。

騎士団は元より、町の皆も二人の事を知ってた事。等々我が下半身可愛さにペラペラしゃべる。


「でも右手の薬指に指輪もなかったし」

リョウの呟きにギルドマスターが答える。

「右手の薬指に指輪ってなんだ?」

「え?結婚したら右手の薬指に結婚指輪嵌めるでしょ?」

「初耳なんだが、何処かの国の風習か?」

「、、、、は!」

リョウは愕然とした、思い出したのだ自分が異世界転移していた事に。

そうこの世界は元のリョウの居た世界と全然違うのだ、ならば風習も違う訳で、、、。


「完全に忘れてたぁ~」

今度はリョウの叫び声が資材置場に響いていた。


「ま、まぁ何にせよ納得して貰ってなによりだ!はぁ~」

拘束を解かれもがれる前に自身の下半身を守ったギルドマスターは安堵のため息を溢す。


「何か対策を考えないと、又同じ間違いを、、、」

リョウが何かブツブツ独り言を呟いている。

思考の海に潜ったみたいだ。


「触らぬ結界は壊れないっと」

ギルドマスターはそっとその場を後にした。

多分リョウの元いた世界の「触らぬ神に祟りなし」的な意味あいの格言なんだろう。


「リョウ?」

思考の海に潜ったリョウを引き上げる声が聞こえた。

声の主は草原の銀風のリーダーブレルであった。

「ブレルさんどうしたんですか?」

「俺は西門の壊れた外壁の補修の手伝いで、資材を取りにリョウはこんな所でなにを?」

「私はギルド、、、」

そう言いかけてギルドマスターの姿が消えている事に今さら気付く。

「あのおやじ~」

思考の海に潜ったリョウが悪いのだが、仄かに怒りがわいてくる。


「今度はもぎ取って魔物に投げつけてやる!」

「リョウ?どうした?」

「ううん何でもないよ」

「そ、そっか?」

ブレルは持って行く資材の準備に取りかかる。

「なぁ、リョウって男が好きなの?」

ブレルがなんと無しに普通に聞いて来た。


「ええまぁ~そうですね」

「女には興味無いのか?」

「ええ、全く興味無いです」

「そっか、良い顔してるのに勿体ないな、でも良い顔してたら男にも持てるのか?ん~」

資材を選びながらブレルは独り言の様に言葉を吐く。

嫌悪等なく純粋な興味本位なんだろう、ブレルの感じはリョウにとって嫌な印象はなく、むしろ好感さえ持てた。

「ブレルさんは恋人は?」

「俺か?いないし、結婚も未だだな冒険者やってるとその辺りは難しいな」

「そうなんですねぇ~」

「しかも定住の冒険者とは違い、拠点はあるものの色々な町や国に行く俺達なら尚更だなw」


ブレルが笑いながら答える。

「でもムラムラしたら?」

「そりゃ~一人で頑張るか、娼館に行くか、、」

「え~ブレルさん娼館行くの?行きそうに無いんだけどw」

「俺だって男だからな!まぁ2回しか行った事無いし、2回共ジャンに誘われたらだけど」

草原の銀風のお調子者の魔法使いのジャンさんなら、ありえるwリョウはジャンの性格を思い納得する。


「これとこれと、、後これだな」資材をマジックバックに入れるブレル。

「そう言えば何故ブレルさんが補修の手伝いを?」

「あぁ~俺の父ちゃんが建築の職人だったんだ、それで子供の頃手伝いしててさ、懐かしくて手伝いやらせて貰ってんだw」

何と言うかブレルらしい理由だな~とリョウは思った。

「じゃ~俺はもう行くな」

ブレルは足早に去って行った。


「けど良い事聞いたな、そっか~定住でない冒険者なら未婚の可能性が大かぁ~」

リョウはこれから、自分の恋人を見つける為に思考の海に又潜って行った。

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