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34.ゴブリン殲滅作戦①だわ。

夜の帳が段々明けてくる。いつもより静かな朝焼けの雰囲気が異様だったと後で町の人間が回顧する。

この町にはいます戦闘職員か、ギルド関係者しか道路に出ていない。

いつもなら夜明けと共に開く商店街の店も、鍛冶工房も静かな物だ。皆自宅に立て籠り、事の成り行きを見守っている。


町の西門、南門共に防壁やバリケードを築き、ゴブリン1体とて通さない様に気気構えている。


静寂を破ったのは草原の銀風の斥候フラジャイの「ゴブリンが見えたぞ~」の言葉だった。

町の外壁の一番高い物見台にて、ゴブリンを確認したと。なら、もう少ししたら下の殲滅部隊の目にも写るはずだ。


斥候が続けて言う。「目算でその数およそ400匹!」

冒険者達に少し動揺が走る。作戦段階では250匹位の計算だったからだ。

南門で400匹ならもし西門にも別れて攻めてきているなら、その数およそ800匹、、この町の戦える人数は冒険者と騎士団合わせて100人にも満たない。


「大体一人8匹始末すれば終わりだな!」

ギルドマスターが大声で鼓舞する。

数のマジックで、総数800匹と考えたら恐ろしいが一人8匹なら意外とやれる気がする。


しかも今回はBパーティーの草原の銀風と復活した個人ランクAの閃光の鬼神もいる。

まぁ、戦いに絶対が無い以上どんなに有利な事があっても油断は出来ない。

それを踏まえても、この面子が居て負ける気がしないと思わせる程の存在感を放っているのだ。


「さてそろそろか」

草原の銀風のリーダーが皆に聞こえる様に呟く。

「ズンズン」

地響きが聞こえ、皆の目にゴブリンの集団が写る。

「この町を襲った事を後悔させてやれ~行くぞ~」ギルドマスターの声に「おお~」続く冒険者達。

今戦いの火蓋が切って捨てられた。


「ギンガン」「ボオ~」「うしゃ~」「ギャー」

ある者は剣で、ある者は魔法で、各々慣れた戦い方でゴブリンを口々にしていく。


数時間が経ちこのまま殲滅出来ると思われたが、徐々に押され始めた。


「おかしい?」「もしかして、、」

草原の銀風のタンクハリーがギルドマスターに異様な事態を告げる。

「俺も、そう思った。これは少し不味いかもな!」

ゴブリンを薙ぎ倒しながら、ギルドマスターが答える。

「どうかしたんですか?」

自らも魔法を駆使して前線で戦っていたリョウがギルドマスターに理由を聞く。


「ゴブリンロードに加えゴブリンクイーンが居るのかも?」

「それだと何が不味いのですか?」

リョウが意味を聞く。

それに答えたのは、草原の銀風のリーダーだった。


「ゴブリンロードとゴブリンクイーンが居ると特殊スキル無限召喚が使えるんだ」

「無限召喚?」

「そう、その名の通りゴブリンを無限に召喚出来る」

「ええ~滅茶苦茶迷惑な技ですね」

リョウが特殊スキルに驚き顔をしかめる。


まだどうにか門迄突破されてはいないが、このままだと遅からずといった所である。


数に押され傷付く者、体力や精神的に疲弊している者、交代で治療や休みを取っているものの、限界はそう遠くない未来だ。


それは西門を預かるテータの騎士団とて一緒だと考えられる訳で、、、


「私のテータさんが危ない」

リョウは咄嗟に状況を理解した。

「ゴブリンロードとクイーンは何処にいると思います?」

「多分一番後方だろうな、ロードは危機管理意識が高い、安全とわかる迄は前には出て来ないだろう」

ギルドマスターがもう何十匹目かのゴブリンを倒しリョウに教えてくれる。


南門の斥候から、赤い狼煙が上がる。事前に決めていた合図で西門が破られる事を意味していた。


「テータさんが危ない!」

もう目立ちたくないとか言ってられない。

リョウの中で何かが切れた。


「皆一旦下がって下さい」

「しかし、下がると押されてしまう」

草原の銀風のリーダーがリョウに言う。

「そうだ、折角戦線が維持出来てるのだから、、」

ギルドマスターも続いてリョウに言う。

「うるさい!私が下がれと言ったら、下がりなさい」

リョウの口調や雰囲気が変わった事で、草原の銀風のメンバー、ギルドマスターや冒険者達が気リョウの威圧におされ後ろに下がる。何故か男子はもれなく股間を押さえながら。


皆が下がった事を確認したリョウは「アイスプリズン(氷の監獄)」を放った。


一瞬で辺りのゴブリンを凍りつけ、門のを半円で塞ぐ様に3メートルは在ろうかと言う壁が出来た。


「「な!」」「これは、、、」下がった者達が驚愕で固まる。


「暫くは大丈夫、私は西門に行くからワープ(転位)」

皆の返事を待たずリョウはテータのいる西門に転位した。


氷魔法

最上級=アイスプリズン(氷の監獄)術者の周囲に巨大で分厚い平均幅3m高さ5mの氷の層を出現させる。形状は術者の魔力次第。

アイスドラゴン(氷竜)竜型の氷を出現させ敵を攻撃する。竜の数は術者の魔力次第。



上級=アイスロック(氷の砲弾) 敵の頭上に無数の巨大な氷の岩を出現させそのまま落とす。

アイスロード(氷の地面)地面を凍らせると同時に敵の足元から敵を凍らせる。


中級=アイススピア(巨大つらら)巨大な氷のつららで敵を貫く。

アイスクラッシャー(氷の礫)人の拳程度の氷を無数に出現させ、敵にぶつける。

アイスウォール(氷の壁)平均幅1m高さ2m位の氷の壁を出現させ敵の攻撃を防ぐ。


下級=アイスランス(氷の槍)氷の槍を複数出現させ敵を射貫く。

アイスバレット(氷の粒)複数の氷のつぶを出現させ敵にぶつける。

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