24.草原の銀風登場なのだわ
転位魔法でギルドの裏に「ワープ(転位)」する。
ギルドに「マップ(地図)でピン(固定)」をしていたから助かった。
だが、「気楽にワープ(転位)」が出来るのはリョウ位か。
この世界の「ワープ(転位)」は転位魔法師と呼ばれる、転位専門の魔法師が複数人(大体3~5人)で術式を施し転位を行うのが通例らしい。しかも一回で転位出来る人数が10程度とか。
リョウなら普通に2~30人位なら転位出来るだろう。
魔法の行使は魔力量によって威力が変わる。
リョウの魔力量表示はバグでわからないが、魔法を試した際に初級攻撃魔法の威力が高かった事もあり、魔力量は結構有ると思っている。
まぁ、魔力が底をついても、マジックバックの中に各種マジックポーションがあるので、そこら辺は余り不安は感じていない。
だが、「「ワープ(転位)」出来る事は余り知られたくないわね」
リョウは面倒事に巻き込まれぬ様に大人しく目立たない様にと心に誓う。
ギルドに入ると大勢のギルド関係者や冒険者らしき人々でごった返していた。
「大体みんな揃ったかな?説明を始めるぞ」
ギルド中央の階段から、厳つい感じの筋肉隆々の40代半ば位の右手がない男が話始める。
「ギルドマスターのバラインだ、しっかり話しを聞いてくれ」
騒がしかった集まっている人々が静かになる。
それを満足そうに頷きながら、ギルドマスターが説明を始める。
「あ~知ってる奴もいると思うが、緊急クエストの説明だ、今この近くでゴブリンの集落が見つかった」
空気が少しザワつく。
「さらに、ゴブリンロードもいるみたいだ」
更にザワつく。
「落ち着いて聞いてくれ、斥候の集めた情報だと、数は200~250体位でこのアキアに進行してくるのが明日あたりだそうだ」
「その数を対処出来るランクの冒険者なんてこの町にはいないんじゃ~?」
ザワついていた冒険者から質問があがる。
「そうなんだが、たまたま近くに滞在していた高ランクの冒険者パーティーに支援を要請し、引き受けてくれる事になった」
「紹介する、私の横にいるのが高冒険者Bランクパーティー草原の銀風だ!」
「おお~」
皆一斉にギルドマスターの横のチームに顔を向ける。
「どうも、今紹介された草原の銀風だ今回の緊急クエストの現場の指揮を取る事になったよろしく」
続けてギルドマスターが草原の銀風の各々を紹介し始める。
「先ず草原の銀風リーダーのブレル、剣士だ」
「よろしく」
「そしてタンク役のハリー」
「、、、、」
「僧侶のミリ」
「よろしくね~」
魔法使いのジャン
「どもでーす」
「斥候のフラジャイ」
「どうも」
チームメンバーは5人、僧侶のミリだけ女性で後は男性だ。
リョウはメンバーを確認する。すると「はぁ~」
ため息をつく。リョウのお眼鏡に叶うイケメンは居なかったみたいだ。
そして今ギルドの中にいる人々では、リョウの食指は残念ながら、(人々はラッキ―)うごかなかったようだ。
「それでは作戦を発表する」
ギルドマスターがそう言いながら、地図を広げ壁にはる。
「この地図をみてくれ」
皆ギルドマスターの広げた地図に注目する。
この町は全体的に見ると大体正四角形になっている。町は十字にメインの道が通り、東西南北に別れている。
町に入る門は西と南に一つづつ。
北は領主の館を初め田舎町でもそれなりの人達が住む、所謂ちょっと高級住宅だ。高級な店とかも軒を連ねている。
南は所謂庶民の町だ、バザーや商店や庶民達の住居がある。冒険者ギルドはこの南にある。リョウの泊まっている宿もここだ。
西は職人の町、鍛冶工場や剣や防具、鍋や包丁等日用品の店やポーション等の道具店なんかが沢山ある。騎士団の施設はここにある。
東は所謂歓楽街。飲み屋や怪しいお姉さんの店、カノンやウル達が住むスラムもこの東の外れにある。
「今回は西門が騎士団メインで南が冒険者メインの共同防衛戦&殲滅作戦を行う」
ギルドマスターが作戦の説明をしだした。
「今回発見されたゴブリンの集落は南門の方角なので、南門の方が激戦になるのは必至だ、しかしだからと言って西門の方も守りを疎かには出来ない」
「今この場に居る冒険者の2割は西門で騎士団と合流して作戦にあたって貰いたい」
ギルドマスターの言葉に冒険者達が頷く。
騎士団と冒険者って仲はどうなんだろ?っと思っていたリョウはこの町では意外に悪くないのかな?と思った。
前の世界でリョウが遊んでいたゲームでは、騎士団と冒険者が仲悪いシナリオが多かった故にこの世界でもそうなのか?と思っていたのだ。




