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21.リリちゃん登場だわ。

リリちゃん登場なの。

「リリ、ただいま!」

ウルは息を切らせながらドアを乱暴に開け、リョウの手首を掴んだまま妹のベッドサイドに駆け寄る。

「お兄ちゃんお帰りなさい」

決して清潔とは言えない薄汚れたシーツにくるまり、粗末なギリギリベッドと呼べる代物の上で妹のリリが兄に返事を返す。


「誰かと一緒なの?」

足音が兄一人分では無い事に気づいたリリは兄のウルに尋ねる。

兄のウルは滅多に人を家に連れて来ない。

友達のカノンでさえ数える程度だ、そのカノンはリリの視力が段々弱っている事を知って居た為、家に来た時は必ず先にリリに声をかける。その声が掛からないと言う事は、カノンでは無い人物を連れて来た事になる。


「リリ!お前の身体や視力が治るんだよ!」

ウルは興奮気味にまくし立てる。

「お兄ちゃん何言って、、?」

リリは徐々に弱っていく自分の身体の事を知っている。

身体も目の視力も一年前に比べて悪化の一途をたどっているのだ。

治すにはとても手の届かない高級ポーションか、高い寄付金を詰んで教会で聖魔法の治癒をかけて貰わないといけない事も。


「こんにちは貴方がリリちゃんね?」

困惑しているリリの頭上から聞いた事の無い声が 降ってくる。


「あ、あの貴方は?」

警戒心の強い兄が連れて来た人物だ、変な人では無いのだろうが視力が弱り人の輪郭も朧気にしか見え無いリリは声の人物に尋ねる。


「初めまして私はリョウって言うのよ、そうね、、、」

「貴方のお兄ちゃんの彼女です。」


普通に変な人だった。


「お!お前何言って、、んだ~!!」

「バズン」ウルは思いっきりリョウのお尻を蹴った。

「イッタ~いぃ~」


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