18.やっぱり「受け付け嬢」は厄介だわ。
アイツは忘れた頃にやってくる。(一種のホラ~かしら?)
「大変だったね」
少し落ち着きを取り戻した少年達にリョウは言葉をかける。
「リョウさんは男なのに、母さんみたいだ」
カノンが照れくさそうにリョウに言う。
「俺も少し思った」
カノンの言葉にウルも追随する。
「あら、年齢的にはお姉さんよw」
リョウが軽口を返す。
「リョウさんはそっちの人なの?」
カノンが恐る恐る聞いて来た。
「そっちの人?」
「その、同性が好きな?的な、、」
一瞬なんと回答したものか?と思ったがリョウは素直に「そうよ」と答える。
少年達はお互いに目を合わし、、、、
再び逃げ出した。
「バインド(身体拘束)」
リョウは再び拘束魔法を使う。少年達は拘束されその場に倒れている。
拘束され倒れている少年達に近づくリョウ。
「リョウ!カノンは顔が良くて性格良くてお薦めだ!」
ウルがリョウに早口でまくしたてる。
「あーウル僕を売ったな?リョウさん、ウルの方こそ性格良くて、その上良い身体してますよ」
「きったね~カノン俺を売るつもりか?」
「最初に売ったのはウルだろう?」
やいのやいのと少年達はお互いを罵倒する。
このまま放ったらかしにしようかしら?
リョウは二人を眺めながら、違う意味で心で泣いた。
「二人共とりあえず落ち着きなさい、私は少年には興味ありません」
少年達ピタリと争いを辞める。
「10年後に又アタックしてねw」
軽くウインクをかます。
「いや、アタックなんてしないし、そもそも今もしてねーし」
「何故僕達がフラれた様になってるの?色んな意味でショックなんだけど?」
「って言うか、100年経ってもリョウにアタックとか無いし、普通に女の子が好きだし」
「あぁ~ウルは冒険者ギルドの受け付けのお姉さんが好きだもんね~」
「はぁ~?べ、別に好きじゃ~ね~し」
「ウル、顔か紅くなってるよ?」
ここに来て又「受け付け嬢」か、、、
やっぱりあの摩訶不思議パイ引きちぎって、魔物にでも投げつけてやろうかしら?
リョウが段々不穏な考えに染まっていく。
リョウは拘束魔法を解き「そっか~残念ですね~」
と少年達に告げる。
少年達は、なにがだ?という顔をリョウに向ける。
「ウルの妹さんとお母さんの治療して上げようって思ったけど~」
少年達は今度は驚いた顔をリョウに向ける。
「ま、受け付け嬢にでも治して貰ってね」
そう言い残しスラムの出口に向かいスタスタ歩き出した。
「リョウさん「リョウ」待って!」二人が同時にリョウを呼び止める。




