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レイニーガール

作者: てぃあ。

作者(高校生)の体験談です。

最近の若者も抱えるもの抱えて生きてんだな。程度の気持ちで読んでいただけたら嬉しいです。

pm11:00

腫れはじめた瞼に保冷剤をあてる。

「嫌われたくない」その一心で生きてきたつもりだった。

…その小さな願いが嫌われてしまう大きな理由だったりするのかな。


―。

最低な人間とは、まさに私のことだ。

言うなと言われたことはすぐに言いたくなるし、人の言うことは聞かない。

周りにはいい顔ばかりして、心を開く者の前ではとことんわがままになる。

自分も他人も外見にしか興味がなく、他のことはどうでもいい。

しいて言うなら、音楽とメイクが趣味ということだけだ。

長所など何一つない。自分でも思う。


ある日、私は親友の好きな人を友達に教えてしまったらしい。

イツメンの二人に。心を許していたからだと思う。

正直、申し訳ないが教えてしまったことさえ覚えていない。

記憶にあるのは、好きだと聞く前から「○○は○○が好きなんじゃないか。」といった

ただの自分の推測の話をしていたということだけ。

それを言っても何一つ信じてもらえなかった。

確かに、私も言っていないという確信は正直ない。

言ってしまったと言われれば、そうなのかという感じだ。


「口が軽いのは知っていたけれど、ここまでとは思わなかった。

無自覚に言うなんてありえない。」 「心底、幻滅したわ。」


あぁ、なんだ。

こうなるのを避けるために生きてきたのに。

私の小さな願いは簡単に壊されていく。

正直、普段のうるさいキャラも、わがままなキャラも全部偽造だ。

私であるが私じゃない。

矛盾に聞こえるかもしれないが、このたとえが一番しっくりくる。

馬鹿な姿を演じる。とまではいかないが、自分の本心とは真逆の言動、行動をとる癖がある。

本当の私は、無口で、自分を下げる、ネガティブな考えしかできないこんな野郎だ。

「空気読めや。」

ふざけんな。空気しか読んでねぇよ。


「あはは」その一言で終わる。これが一番このキャラにはピッタリだ。

キャラというものはいつのまにか定着している。いつからだろう。

覚えていない。

ぶりっこキャラ。わがままキャラ。泣き虫キャラ。ボケ担当。いじられキャラ。

気づいた時には変なレッテルが貼られていた。

逃げ出せない。


怖くなった。誰かに反抗するのが。

怖くなった。悪口を言われるのが。

怖くなった。怒られるのが。


「逃げたい。」

(逃げられない)


逃げ出したかった。

抜け出せない現実から。


嫌われることを恐れて、聞かれたことは正直に言ってしまう。

誰かが喧嘩して全体が重い空気で覆われる時には、ムリに明るくしようと必死だった。


「もめごと」はこの世で一番嫌いだから。


助けてほしかった。


今日も半べそをかきながら心で叫ぶ


「誰か、たすけて」


何をしても不器用で、繊細な私を。

受け入れてほしかった。

もしかしたら、手を差し伸べてくれる人がいたのかもしれない。

ただ、私の勇気が足りなかっただけ。

本当の自分をさらけ出す勇気がなかっただけ。

ダメなのは、全部私だ。


付き合う相手の条件を聞かれたら、即答できる。

「見た目でしょ」

自信があったから。自分にも。

あたりまえだ。だって、誰よりも努力してる。

性格が終わっていることはとうの昔から自覚していた。

だったら外見で勝つしかない。そう思った。


この不器用な私にも負けたくないことがあった。

「歌」

自信があったから。誰よりも努力している。


なんだ。自分にもいいとこくらいあるじゃん。

違う。

問題は短所である。

多すぎた。あまりにも。

長所が隠れてしまうくらいに、私には短所が多すぎる。


どうすることもできなかった。

できるのは、ただ泣くことだけ。

泣いたところで何がどうなるわけでもない。

どっちかというと、目が腫れるというデメリットしかない。

でも、それはそれは赤ん坊のように泣きじゃくる時間が、

私にとって、唯一ありのままの姿でいられる瞬間だと思うから。


だから泣く。

明日を生きるために。

目を閉じる。

すべてを忘れるために。


am12:00


優しい雨の降る夜。


今日も、「おつかれさま。わたし。」


ふと自分の情けなさや不器用さに呆れたり、悩んだりすることってありますよね。

たまに、自分が何をしたいのか、わからなくなってしまうこともあります。

とりあえず、そんなときは無理せず泣けるだけ泣きましょ。

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