ざらざら波形
沈む太陽と
空を染め上げる黄金色
心はスイッチを入れたみたいに波打つ
そんな簡単な組み合わせで
気怠く転がる車の直線
砂粒擦れる喧騒と信号で
言葉入り乱れる心は
また波形を刻む
境界なんて常に曖昧で
また何でもない景色に
役者みたいに揺れている
そんな簡単な組み合わせで
できているざらざらの中身
動く心臓
動くだけの心臓
終わるこの日
空に満ちる藍色の天蓋
何度繰り返すのかな
そんな簡単な条件反射を
気怠く転がっていた車は
疎らになって
アクセル踏んで逃げてみる
言葉消えても残る電子の響き
境界なんてずっと曖昧で
途切れたことのない眠気と
時々揺れる電子の火
沈んだ太陽も藍色の空も
信号も蟻の行列も
抜け出せないのならいっそ
ざらざらの中身全部ぶちまけて
溶け合ってみたい
そんな簡単な仕組みでできた
動く心臓
動かしたい心臓