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第24話 スマホ太郎

部屋までいくととドッと疲れが押し寄せてきた。


そういえば今年の夏休みはもう8月を迎えていたのに、ひたすらソシャゲのイベントを回し続ける日々だった気がする。


急に活動的になったので体がびっくりしているのかもしれない。


ここにいることの方が驚きではあるけれど。


それに昨日は明け方まで起きていたので、まだ20時過ぎぐらいなのにも関わらず、今にも夢の世界へ誘われそうだった。


ふらふらとおぼつかない足取りでタンスの前に敷かれた座布団に陣取る。


なんだろう、もはや定位置の貫禄さえ感じる。


座った弾みでポケットに入れていたスマートフォンのことを思い出す。


いつもはことあるごとに触っているから忘れることなんて無かったのに、今はスマホ以上に興味深いことが多すぎてすっかり意識から抜け落ちていた。


「ん?」


ホームボタンを押してみても反応がない。


朝の時点では使えていたので、どうやら充電が切れてしまったようだ。


かといって充電器は持っていない。


「あの……」


「……へ?どうしたの?」


まちも疲れたのか、テーブルを挟んで座ってはいるもののうつらうつらとしていた。


ロングの髪で顔が隠れてしまって金髪版貞子みたいになっている。


充電器があれば借りようと声をかけた志引だったが、眠そうなまちを見てスマホの必要性について少し悩む。


(うーむ、今日はいいかなぁ……現状全く不自由してないし)


このとき志引は家族のことを思い出した。


この状況、志引は楽しく受け入れられているが、家族にとっては部屋にいたはずの息子が急に失踪するという重大事件である。


武隈家は一般的な家庭であった。


たとえ一日に満たない時間だとしても、息子が何も言わず、さらには靴も履かずにいなくなるというのは相当な異常事態であるはずだ。


あの心配性の母がパニックになっていることは想像に難くない。


きっと何度も電話はかかってきていたのだろう。


普段志引のスマホに電話がかかってくることはまれなので、通知を切ってしまっていた。


そのために気づきにくくなっていたのかもしれない。


そう考えると一刻も早く連絡しなければという気に駆られた。


「充電器ってある?」


スマホを掲げながら尋ねる。


「あぁ、あるわよ」


そう言って取り出した充電器は規格が合っているようで安心した。


「あっ!」


二人して充電中の表示が出たのを確認していると、まちが口元に手をやって驚いたような声を上げた。


ビクッ、と飛び上がりそうになってしまったのを必死に抑える。


ただでさえかわいいので直視するのすら憚られるのに、その挙動と声は反則だろう。


隣にいることさえセクハラに当たるんじゃないかと思えてしまうほどのかわいさの暴力だ。


女慣れしていない志引は、まちに不快な思いをさせないことに全力を注いでいた。


だから必死に驚く自分自身を制した。


ああ、こんな子に引かれてしまったら明日の命はないかもしれない。


感想が貰えると嬉しいよね。

嬉しさのあまり目の前の全く知らないJKに抱きついてしまったので、留置所からお届けしています。

お前は先週、2回更新すると嘘をついただろうと恫喝されます。

当然身に覚えがありませんのでやれやれって感じです。

今週は2回更新できると思います。

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