第22話 キスと美少女と召喚魔法
「もといた世界に返りたい気持ちはもちろんあります。でも、本当にいいんですか?」
志引に魔法のことを広めてやろうという気は無かったが、客観的に考えると、やはり彼がもといた世界に帰るというのはリスクのある判断のように思えた。
「そのためにまちがいる。それに、もし君が魔法を吹聴するようなことがあったなら、記憶を消す程度は生温いと思えてしまうほどの罰が待ってる。当然、まちにもな。」
その忠告には重みがあった。
まちも自分に課された言いつけが魔法世界を左右するかもしれない可能性を孕んでることを理解したのか、真剣な表情をしていた。
こっちの世界のしきたりを志引は知らない。
記憶を消すこともよくよく考えると非常に現実離れした話であるが、それ以上となると想像がつかない。
そんなことにはならないと分かってはいても、背筋が凍るような思いだった。
「魔術が使えるからって、外でやっちゃだめなんだからね!」
「は、はい」
一瞬流れた、重苦しい空気を振り払うようなみずほの明るい声だ。
「そうだったな、余計な心配が増えたんだった。」
みずほはもう一度顎に手をやりかけたが、途中でやめ、志引のことを見つめる。
「これは君を見込んでのお願いだ。絶対に、外では魔術を使わないで欲しい。本来この世界に関わることのなかった君を巻き込んでしまったのはこちら側の失態で、君の行動を制限してしまっていることは申し訳なく思っている。そのくせ、脅すようなまねをするのはもはや申し訳が立たない。我々からお願いをするというのも筋違いだ。それでもこれだけはどうかお願いしたい。」
みずほは深く頭を下げた。
つられて、美園もお辞儀した。
「そんな!頭を上げてください!絶対守ります。それに、迷惑だなんて思ってません。むしろ楽しんでるぐらいです!」
これは紛れもない本心だ。
魔法なんてものは、漫画とかアニメの世界の話だと思っていたのに急に現実として目の前に現れたのだ。
面白くないはずがなかった。
それに、この世のものとは思えない美少女と一緒に過ごせるのだ。
一介の男子高校生である志引にとってはこの上ない幸福だった。
たとえ彼女が日常的に暴力を振るうようなヒロインであったとしても、彼にはもはやご褒美と変わりないものだった。
「ご、ごめん」
みずきの言葉を聞いて思うところがあったのか、そんな彼女は、横から小さいながらも改めて謝罪してくれる。
自分の不幸よりも、彼女が悲しい顔をする方が志引はつらかった。
「全然いいんだよ!」
最大限の笑顔に、親指を立てて彼女を励ますように答えた。
彼女にはいつも自分に暴力を振るえるぐらい元気であって欲しいと、自身の性癖抜きでそう思う志引だった。
聡い読者の方々はすでにお分かりかと思いますが、この作品のタイトルは本編とほとんど関係がなく、後書きと密接に関わっています。
今、バカテスを読んでたりするのですが、私は翔子たんが一番好きです。
でも、自分の作品には美波みたいなキャラを出してしまうのはなぜなのか。
釘宮病の後遺症なのかな…く……くっ…………(静まれ……我が声帯よ)………くぎゅっ…………くぎゅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう




