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Three Geniuses   作者: 龍翔
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第5話

「ふざけんな!」


遠藤の怒号がグラウンドに響き渡る。


遠藤が怒りをあらわにした相手は晃樹だった。


その理由は練習開始前に行ったミーティングで晃樹が放った一言がきっかけだった。


ー数分前ー


「紅白戦に向けて今日は守備のコンバートをする者を発表する!」


鈴野が三塁手から遊撃手に、内村が遊撃手から二塁手に、そして遠藤を捕手から外野手にと。


鈴野は打球への反応の素早さに肩の強さ、更に守備範囲も狭く無いためと反塚が三塁手である事を加味してのコンバート。


内村は守備範囲の広さに華麗なグラブ捌き、安定感あるスローイングでまさに守備職人と言ってもいい程だが肩がそこまで強くない為、現在では二塁手が最適と考えてのコンバート。


そして遠藤は打撃は見るものがあるが捕手としての守備は圧倒的に晃樹が上回っていた。


肩の強さ、スローイングの良さ、瞬時の判断、フットワークなど全てが晃樹が上回っている。


これは当日のオーダーを任された晃樹の独断では無く、周囲からの評価で決めたものだった。


しかし今日まで遠藤自身にコンバートの話しはしていなかった。


ーーー


「確かに今の俺はキャッチャーとしてお前に勝てると思っていねぇ…、けど!そうするならそうするで事前に一言言えよ!」


遠藤はなにも晃樹が捕手として出場するのに激怒したのでは無く、同じチームなのに何一つ相談無く決められたのが腹に立ったみたいだ。


「俺達はお前に着いて行く!ましてや今回の状況は良くねぇしな…けどそのお前が誰にも相談せず一人で決めるなら俺達は着いて行かねぇぞ!」


遠藤は中学生なってからすぐ佐久宮に入学する事を決めていて佐久宮のチーム状況や伝統などは人一倍知っていた。


その中の一つで紅白戦の時に一年生の主将を務めた者はそのまま三年時に主将になるのがほとんどの様だった。


その事を知っていた遠藤は今だけでは無く、その先をも見据えて今回の晃樹の行動に怒ったのだった。


要するに遠藤は口下手でついつい言葉が強くなってしまったのだった。


一瞬ぎくしゃくした一年生達だったがこれでコンバートも決まり紅白戦前日の練習を終えた後、晃樹は紅白戦のオーダーを発表した。


1.中.中園嵐士 左投左打。

2.一.長田隼士 左投左打。

3.捕.大倉晃樹 右投右打。

4.右.三神陵謙 右投右打。

5.三.反塚海斗 右投右打。

6.左.遠藤京一 右投右打。

7.遊.鈴野新太 右投右打。

8.二.内村義生 右投右打。

9.投.井戸川肇 左投左打。


「俺が先発じゃないの?」


「9回は投げた事なんて延長に入った数試合しか無いだろ?井戸川と赤井に最初は投げてもらって後を陵謙に任せる」


「んじゃ序盤は打撃に専念するから嵐士と晃樹は出ろよ」


「まっかせなさーい!それが俺の仕事だもんね!」


「よし!んじゃ最後に声出すか!すぅ…明日、絶対勝つぞ!」


「「「おおおぉぉぉぉ!!!」」」


一年生達の気合いは充分だ。

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