プロローグ
日々猛暑が続くこの夏。
人々は様々な過ごし方をしているでしょう。
外で汗を流しながら仕事や部活をする人。
中で快適な温度で仕事や勉強をする人。
そしてここの球場には夏に向けて野球だけに費やしてきた中学生達がいた。
リトルシニアの全国大会決勝。
スコアボードを見ると7対1で和歌山県代表の有川シニアがリードしていた。
この全国大会で有川シニアは圧倒的な実力で勝ち上がってきた。
その有川シニアナインの中でも特にずば抜けた実力の持ち主が三人いた。
外野手の中園嵐士。
1番打者を務める左投左打の俊足巧打の外野手で打撃は巧みなミート力と50m走6秒0の俊足を活かして安打を量産。
守備では俊足を活かした広大な守備範囲。
元投手だったので肩の強さと送球の安定度で走者をよく刺す。
捕手の大倉晃樹。
3番打者を務める右投右打の強肩強打の捕手で打撃では中学生離れしたパワーで長打を量産。
さらにどんな球でも引っ張るのが彼の特徴の一つでもある。
守備では持ち前の強肩で盗塁を許さない。
そして一番の実力者が投手の三神陵謙。
4番打者を務める右投右打の投打共に優秀な実力を持つ選手。
投手としてはMAX132km/hの速球にカーブ、スライダー、フォークと多彩な変化球を操る。
しかし一番の武器はコントロールで数多くの三振を奪ってきた中で見逃し三振を奪った数の方が多い。
打者としては圧倒的なミート力の持ち主で下半身主体の打撃フォームで単打、長打を量産。
特にミート力がずば抜けていて中学の通算打率は.450を超えている。
そしていつからか周りは彼達の事を"三人の天才"と呼ぶようになった。
試合は終わり、有川シニアが見事全国制覇を果たした。
この球場にはチームに関係ある人から関係のない人がいる。
この試合を見に来た人達は一つだけ彼達の事を気にしている事があった。
それは進路。
彼達はどこの高校に入学し、どのような活躍を見せてくれるかを観客のみんなは気になって仕方がなかった。
月日は進み夏も終わる。
さぁここからが彼達、三人の天才の物語の始まりです。