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神兵少女  作者: 蔡 春虎
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西暦2167年

2167年の日本、阿蘇原舞は東京に住む13歳。実は彼女は軍事訓練学校の首席生徒で・・・。

2167年 日本 東京

すでに暑い6月の朝、一人の少女が道を歩く。制帽に学ラン、下は黒いプリーツスカートという姿は、堅苦しさと可憐さが入り混じる。現在の女子中学生の制服は8割がこれだ。他には、白い学ランとスカートのもの、紺色で前をホックで止める旧日本軍の海軍服のようなものだ。前者は軍事医療学校の制服で、その名の通り医者や看護師の養成を目的とした学校である。通常学校4年生から6年生まで毎年行われる統一学力測定試験の平均が上位20%で、かつ本人が志願すれば看護学科に、成績が上位10%ならば医学科に入学できる。後者は研究学校の制服で、テストの成績が上位5%の者は強制的に入学となる。卒業すれば、理系は軍事兵器開発、文系は各分野の指揮者として巣立って行く。

また、統一体力身体検査の下位10%は職業学校に入学となり、一般企業への就職をすることになる。

現在の教育機関は、4歳から10歳まで6年制の通常学校と、以上に述べた4年制の10歳から14歳の専門学校のみとなっていて、全て義務教育である。

今道を歩く少女、阿蘇原舞は女子学生の大部分が通う、軍事訓練学校の3年生である。150cm台中盤ほどの慎重に腰まである綺麗なストレートの黒髪、対照的に白い肌、引き締まった体軀の彼女は、東京第二軍事訓練学校の3年生主席生徒である。


軍事訓練学校は、体力身体検査の結果に応じて上から各学校に振り分けられる。数字が小さければ身体能力が優れている。実戦では第一学校のビリよりも、第四学校のトップレベルの方が圧倒的に上に立つこととなる。第二学校のトップならば、第一学校の中堅レベルに相当する。だが、これはあくまでも一般論である。というのはテストの結果は全国の学校に県をまたいで提出することができ、人気の県に出願者が殺到するのだ。

東京は現在皇居と宮内庁を除いたほかは、ほとんどが軍事関連の施設となっている。そのため東京の軍事訓練学校のレベルは全国でも抜群に高く、第三十四学校まである中で、三十までは他県の第一学校並みのパフォーマンスを誇るという。その激戦区で第二学校のトップということは、とてつもないエリートであるということだ。東京についで軍事訓練学校のレベルが高いのは沖縄で、特に海兵部隊は最強の呼び声が高い。そして、なぜ身体能力を重視するかというと、結局のところ、銃と剣が主な戦力だからだ。装備や戦車などの防御力は格段に上がり、歩兵でさえも銃殺は困難になったが、逆にそれを破れるほどの攻撃手段はあまりない。特に奪還後のことを考えればなおさら大規模破壊兵器は使用しにくいのが現状だ。

そして、もともと東京にあった企業や商業、娯楽施設のほとんどは奈良に移っている。奈良県だけは例外で、医療学校と研究学校、職業学校がなく、代わりに高級商学校がある。現在では日本最大の人口と経済市場を持つ県となった。

政府機関は香川県に移動した。四国の海岸全域に軍隊のバリケードを張り巡らせ、対岸の広島、岡山、山口、兵庫、大阪も軍隊で固めてある。山あいの地形を生かし、対空砲の配備も抜かりはない。


では、このような軍事体制が引き起こされた原因は一体なにか。


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