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第8層 冒険者ギルド

本日2話目です。ご注意を

 

町に入ってから1時間。俺とサクラは冒険者ギルドへやってきていた。


いやね。最初は町の観光を楽しんでいたんだが、30分もしないうちに飽きちゃった。


最初は楽しかったよ?

日本じゃ見られないレンガ造りの町並みを、俺は屋台で買った謎肉の串焼きを。サクラは桃を食べながら見て回ったり、アクセサリーの屋台でボーパルに似合いそうな花の形に並べられた宝石のヘアピンを買ったりしててんだが・・・

屋台で買った謎肉の串焼きは肉が硬いし、味は薄いし。

他の屋台はジャガイモとか、麦とかの食料と、古着を売っているところばっかりだしな。でかい商店なら話は違ってくるんだろうが敷居が高いし。

観光名所なんて存在してないし、レンガ造りの町並みは楽しかったがすぐに飽きた。

なんというか、単調というか、地味というか・・・まぁ、普段暮らす町ならこんなもんか。

異世界だから期待していたんだが、そんなに変なところはないな・・・まぁ、異常に臭かったり、汚かったりしていないだけ当たりだったと思おうか。うん。


・・・というわけで、異世界の町並の探索に飽きた俺はサクラを伴って、異世界独自の建物である冒険者ギルドへやってきたわけだ。

冒険者ギルドに観光に来るっていうのもどうかと思うが・・・まぁ、やることもないしな。

多分この町にはもう来ないだろうし、ちょっと寄っていってもいいだろう。最初は宿に泊まっていくつもりだったが、日帰りもありえるレベルで暇だしな。


「ほう・・・いかにも冒険者ギルドって感じだな」

「きゅい?」


いや、他の冒険者ギルドなんて知らないから単なる想像でしかないけどね。


兵士のおっさんに言われたとおりに俺が入ってきた門の前に続く道を真っ直ぐ言った先。赤いレンガ造りの大きな建物が目的地の冒険者ギルドだ。そう書いてあるしな。

テメトトちゃんの神様ぱうわーのおかげか、俺はこの世界の文字も問題なく読める。流石幼女神さま。文字を覚える手間が省けて助かったぜ。

冒険者ギルドの中は正面が受付で、3人の女性が座っているな。真面目そうな人と、元気そうな人と、眠そうな人だ。3人とも美人だな。興味は無いが。

入り口の左手にはでっかい掲示板があり、沢山の紙が貼ってある。冒険者だと思われる人達がその紙を真剣に読んでいるな。貼ってある紙は依頼かな?

んで、右手はちょっとした飲食スペースになっているみたいで、数人の冒険者が昼間から酒をのんで騒いでる。働かなくていいのかね?あいつらが特別だらしないのか、冒険者の仕事が昼間から酔いつぶれれるぐらい儲かるのか・・・

まぁ、命がけの仕事だろうし、休日は必要だよな。詳しい仕事内容は知らんが。たぶんそう。


というか、仕事内容はあそこに貼ってあるんだよな。ちょっと見に行こうか。


「んーと、ゴミ掃除、トイレ掃除、ウサギ討伐、引越しの手伝い、雑草毟り、迷子犬探し・・・なんか地味じゃね?」

「きゅーい?」


とりあえず一番手前の、沢山の紙が張ってある掲示板の所に来たんだが、書いてある内容は冒険者の仕事っていうよりま雑用だな。

まぁ、誰かがやらなきゃいけない仕事なのかもだが、冒険者って感じじゃないな・・・

というかサラっとウサギ討伐が混じってるんだが、それはゴミ掃除とウサギ討伐が同列ってことなんですかね?俺の戦闘力はゴミ以下ですか?泣いてもいいですか?


「こっちの掲示板は・・・薬草採取、ゴブリン退治、オオカミ退治、迷子猫探し・・・おお!初心者冒険者っぽい!」

「きゅい!」


やっぱ冒険者と言えば薬草採取とゴブリン退治だよな。貴重な薬草を桁違いの数納品したりとか、はぐれゴブリンの討伐依頼で、巣を潰したりとかして、主人公の実力が世間に出始めるんだよ。

・・・まぁ、実力があればの話だけどな・・・


「次はこっちだ。こっちは・・・オーガ討伐、ダークホースの捕獲、ダンジョン探索、迷子馬探し・・・迷子多すぎだろう・・・」


この町は迷子ばっかりの町なのか?それとも世界全体で迷子が多いのか?

じゃなくって、ダンジョン探索!?場所は・・・この町から2日の距離か。良かった。うちじゃないな。

いや、びびった。でも、なんで冒険者がダンジョンを探索するんだ?ダンジョンの敵は他のダンジョンで人間じゃないと思うんだが・・・って、そうか。素材か。武器や防具の素材にしたいからモンスターを狩にくるのか。


嫌だなぁ・・・うちには来るなよ?


「どけボウズ!お前にその依頼は無理だ!おとなしくトイレ掃除でもしてやがれ!」


「うおっとっと・・・」

「きゅいぃ?」


俺がダンジョン探索の依頼を見ながら唸っていると、後ろから急に肩を掴まれて後ろに引かれた。危うく転びそうになったが、なんとか立て直して肩を掴んできた相手を見ると、強面の顔を真っ赤に染めているおっさんがいた。

あぁ・・・これは出来上がってますわ・・・絡まられたくないなぁ・・・いや、もう絡まれてるか。


「さっきから見ていたがそのちび助ウサギはボウズの従魔か?バカかお前は!いや、バカだ!そんなちび助を戦場に連れて行ったところで、一瞬で喰われるのが目に見えてやがる!ウサギは町の外になんざ出さずに、家の中で飼えばいいんだよ!」

「きゅいい!!」


ちび助と呼ばれた上に戦力外だと言われ、自分がバカにされたと思ったのか、珍しくサクラが怒ったような声を出している。

てか、おっさん声がでかいっす・・・注目されてる!めっちゃ注目されてるから!!


「第一、ボウズ。お前まともに剣を振ったことも無いだろ!手に剣ダコができてねーし、剣そのものの柄に磨り減った後もない。新品そのものだ。ちょっと肩を引くだけでも体勢を崩しやがるし、俺が後ろに立っても気づきやしねー。そこのちび助は途中から気づいてたぜ。お前さんちび助よりもよえーんじゃねえのか?」


「うぐっ・・・」


このおっさん俺が気にしている事をズバリと・・・

自分で言うのはいいけど人に言われるのはちょっと傷つくんだよ!

いいもんいいもん。今は弱くてもいつか追い越すからいいもん!


「はっ!そんな状態で危険と隣り合わせの冒険者を名乗るなどと片腹大激痛だ!今すぐ止めて別の仕事をしやがれ!」

「いや、俺は冒険者じゃ・・・」


「と、言いたいところだが、今は冒険者の数が圧倒的に足りん!ボウスどもみたいな雑用専門の冒険者でも抜けられたら困る!」

「人の話を聞かねぇ・・・」


酔っ払い怖い・・・お家帰りたい・・・ボーパルに癒されたい・・・


「だからこの俺が直々に稽古を付けてやる!!着いて来い!おい!奥を借りるぞ!!」

「は?え?ちょっま・・・首!首がしま・・・ぐぇ」

「きゅーいー!」


なにやら自分の中で結論を出したらしいおっさんが俺の服の襟首を掴んでずるずると引きずりながら冒険者ギルドの奥へと拉致していく・・・

えぇ?本当になんなの!?ちょっ、サクラ!助けようとしてくれてるのは分かるけど足を引っ張らないで!首が!首が絞まる!周りの皆さんも見てないで助けて!ヘルプミー!


もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


またおっさんか・・・町に来たのに幼女に会えない・・・

どうやったら幼女に会えるのか。迷子か奴隷か・・・うむむ

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