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第2層 ダンジョンを作ろう

本日3話目ですのでご注意を

 

「ふぅ・・・落ち着いた」

「なの?」


つい取り乱して、人生ハードモードだなんて言っちまったけど、ガメオベラすれば他の属性を選べるってことは、ダンジョンコアを自分で潰せば簡単にリセット出来るって事だもんな。まだ慌てるような時間じゃない。

ウサギ特化だからってウサギしか召還出来ないってわけでもないらしいし、今回はシステムの勉強に当てて、次から本気を出すんでもいいだろう。元々100年単位のプロジェクトみたいだし、1年ほど練習に当てても問題はあるまい。


「そうと決まればさっそくダンジョンを作るぞー!折角だからウサギでいっぱいにしてやるぜ!」

「なのー!何が、そうと決まったのか分からないけど、ダンジョンを作るのー!眷属(ウサギ)がいっぱい居たら楽しいの~!」


んじゃ、早速。エリア「草原」を直径1キロの球体で作成。ポチっとな!


DM2002→1002


作成ボタンをポチっと押して、確認画面が出てきたから更にポチっとしたら、表示されていたD(ダンジョン)M(マジック)の数値が大体半分くらいになった。

最初にクリエイト画面を開いたときは2001と書いてあったからあれから1増えたんだな。

恐らく、初期DMが2000なんだろうから、ここに来てから1時間ぐらいで2増えたわけだ。となればDMの増加量は1日で48か・・・少なくね?いや、まだエリアしか作ってないから分からんけど。


というか、このDMの生産量を増やす事が最初の目的なんだから、こんなもんか。


「・・・ん。無事にエリアの作成が完了したの!それじゃあさっそく新しいエリアを見に行ってみるの!」

「ん?ダンジョンのシステムはこの部屋じゃないと弄れないんじゃないのか?」


たしかそんなことを言ってた気がするんだが・・・


「エリアの作成とか、でっかい物の配置以外はダンジョン内に居れば出来るの!でもクリエイトルーム以外だと、目の前にしか召還出来ないから一長一短なの!」

「なるほど・・・」


大まかに配置したり、あちこちに召還したり、全体を見ながら調整したいときはクリエイトルームで。

丁寧に配置したり、実際に確かめながら召還したりしたいときはエリアに降りて召還するんだな。ジュン。覚えた。


「それじゃあ行くの!」


ボーパルちゃんはそういって俺の手を握ってきた。ぎゅっと握り返してあげたら、にぱ~っと花が咲いたような笑顔になった。かわいい。すりすりしたい。


「転移!新しいエリア1へ!なの!」

「うわっ!」


ボーパルちゃんのプニプニの手の感触を楽しんでいると、一瞬視界がホワイトアウトし、気づいたら見渡す限りの草原にいた。


「着いたのー!」

「すご・・・」


死んでからずっと真っ白で何の匂いもしない空間にいた俺の五感に様々な刺激が一気に突き刺さる。


目に痛いほど明るい太陽に照らされるどこまでも続くかのような緑の絨毯。

草達は、風に揺られてサワサワと俺の足をくすぐってくる。

耳にに入るのは風の音。ゆったりと草が揺れる音は思わず眠くなってしまうほどに心地いい。

思わずため息を吐いたあとの俺の鼻に入り込むのはお日様と土の匂い。このまま倒れてお昼寝できたらどれだけ幸せか。


・・・どうしよう。味覚が何も思いつかない。ここはボーパルちゃんのおミミをはむはむするしかないな!


「・・・って、あれ?ボーパルちゃん?」


まぁ、ミミをはむるのは後の楽しみにとっておくとして、とりあえずモンスターの召還を試してみようと思ったんだが、ボーパルちゃんが見当たらない・・・さっきまで隣に居たのに、俺がぼへっとしている間にどっかいったのか?


「あたちはここなの~。もきゅもきゅ」


と、突然俺の足元からボーパルちゃんの声が響いた。

ちょっとビックリしながら下を見ると、一匹の白ウサギが、白い布地の上に乗ってもきゅもきゅと草を食みながら、やっ。って感じで俺に右手を伸ばしてる。

じっと俺を見つめる緋色の瞳にはただのウサギじゃない。確かな知性を感じられる。


「え~と・・・もしかしてボーパルちゃん?」

「なの!おしいそうだったから、ついつまみ食いしちゃったの~。やっぱり初物は味の濃さが違うの~。でもあたちは噛み応えのある年代物も好きなの!もきゅもきゅ」


「さ、さいですか・・・」


ボーパルちゃんって完全なウサギの姿にもなれたのね・・・

まぁ、考えてみれば、ボーパルちゃんはウサギ型獣人じゃなくて、モンスターだもんな。できてもおかしくは無いか。


「ふぅ。満足したの・・・」


しばらくの間、なのなの。もきゅもきゅ。と鳴きながら食事をしているボーパルちゃんを微笑ましい思いで眺めていたら。お腹いっぱいになったのか、ボーパルちゃんがウサミミ少女姿に戻った。


ウサギから人型にどうやって戻るのか興味があったのに、ボーパルちゃんがもぞもぞと体の下のワンピースに潜っていったと思ったら、既に少女型になってた。

ワンピースもばっちり着ているな。んしょっ!って掛け声に合わせて、お尻の穴からしっぽを出して、満足そうにお尻ごとしっぽをふりふりしているのが、かわいかった。わしって掴んで、もしゃもしゃ、なでなでしたい。


・・・ところで、ワンピースは被るだけで簡単に着れるから分からんでもないけど、下着はどうしてるんだろう・・・上は必要ないくらいのぺったんこだから、まぁいいとしても。下も履いてないってことはないよね?ボーパルちゃんスカートだもんね?しかも元気に跳ね回るからスカートの裾がわりと際どい感じになってるしね?あれ?でもパンツを履いてたらしっぽが出せない気も・・・


・・・うん。ボーパルちゃんに聞いたら見せてくれそうな気もするけど、流石に自重しておこう。でも偶然見えた時はしょうがないよな。事故だもんな。うん。事故ならしょうがないな。風よ吹け!!もっと頑張れ!!


「よーし、それじゃあモンスターを召還してみるの!召還するモンスターはリストから選ぶの!」

「あ、そういえばモンスターを召還するために来たんだったな。すっかり忘れてた・・・」


えーと、リストリスト・・・これか?


食人植物 ・・・100DM

ウサギ  ・・・1DM

オオカミ ・・・500DM

妖精   ・・・1000DM

ゴーレム ・・・3000DM

ドラゴン ・・・100000000DM

etc.


「ウサギ安!!ウサギ以外高!?」


差が激しすぎだろ!?ウサギの次に安い食人植物でさえウサギの100倍のDMが居るんだけど!


「ダンジョン属性がウサギだからウサギ以外の消費DMが高めなのはしょうがないの。ダンジョン属性が動植物だったら動植物系の召還にかかるDMが10分の1になるからこれで丁度いいぐらいなの!」


食人植物10DM。オオカミ50DM。妖精100DMにゴーレム300DMか・・・確かに10分の1だったら丁度いいかもな。


「・・・ところで俺はそのボーナスをウサギの1種類でしか受け取れないんですがそれは」

「大丈夫なの!今のリストは未完成なの!新しい種類のモンスターを仲間にしたら、リストのモンスターもドンドン増えていくの!だからウサギを進化させて、種類を増やせば召還できるウサギの数も増えて、ボーナスの効果がいっぱいになるの!一極特化は消費が1000分の1になるからウサギ系は殆ど全部1DMで呼び出せるの!」


ボーパルさーん。それはつまりボーナスを有効活用できていないのでは?1000分の1に出来るのにそもそも必要なDMが1000無いってことだよね?もったいない・・・


「モンスターは進化するのか。それは知らなかったな・・・でも進化してもウサギはウサギなんだろ?召喚時の必要DMも1000を超えないみたいだし・・・」

「ウサギを甘くみたらダメなの!1円を笑う者は1円に泣く事になるの!」


「1円を笑う者は1円に泣く事になるけど、1円しか無い者も結局泣くことになると思うんだが・・・」

「1匹1円でも、1000匹居れば1000円なの!早く召還するの~!」


「わかったからちょっと待って・・・」


はやくはやく~、なの~。と俺の腕にぶら下がり体を揺すって妨害してくるボーパルちゃんの相手をしつつ、リストからウサギを選択して召還する。


DM1003→1002


「きゅい?」


「あらかわいい」

「なの!」


また1DM自然回復していたらしく、その分のDMを使って1匹のウサギを召還した。出てきたウサギはボーパルちゃんのウサギ形態みたいな、銀髪赤目の子が召還されると思っていた俺の予想を裏切り、全体的に薄桃色をしたお人形みたいなウサギだった。


「あたちの1羽目の眷属なのー!ふふん。あたちがここのウサギのトップなの!友好を深めるために一緒に草を食べるの!」

「きゅい!」


ぽふんと、ウサギ形態に変身したボーパルちゃんが、新しく召還した桃色ウサギと並んで草を食んでる。ほほえま~。


もふもふ!

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