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【リュール&エルダ:外伝】伯爵令嬢から子爵夫人へ

10歳で彼との婚約は白紙撤回、お父様のお言葉で【覚醒】したのよね。それまで甘くて優しいぬるま湯のような小さな箱庭の綺麗な世界が私の全てだったのよ、懐かしいわ。



11歳はひたすらあらゆる本を読んで、体力作りをして、また本を読んで。馬に1人で乗れるようになったり、剣で兄様に勝てるようになったり、意識的に世界を広げてゆくのがひたすら楽しかったわ。


彼から謝罪のお手紙が着たけど、頓珍漢な内容だったの。彼ってこんなにお馬鹿さんだったのかしら??礼儀に則ってお返事したら、お返事にお返事がきたからそのお返事にお返事不要です、って書いて後は知らんぷりしてるの。



12歳でギルドに登録したのだけど、おままごと扱いにプンスカしながら地道に普通の害獣討伐をしていたら知らない間にランクが上がっていたわ♪毎回律儀に鬘まで被って貴族令嬢なのを秘密にしていたけれど、あっさりバレてたのは何故かしら?家名は引退するまでバレなかったから良かったわ。


お誕生日にまた彼からお手紙とプレゼントが届いたけれど、誤字脱字を添削して送り返して差し上げたの。私って親切でしょう?うふふ~♪



13歳で漸く気づいたのだけど、ギルドって種類がありましたのね!危うく勇者になるところ…というか、勇者の卵から駆け出しの勇者ぐらいにはランクが上がっていのよねぇ。びっくりしたわ。私、勇者志望ではありませんもの。登録内容の変更はダメって言われたけど、魔物ハンターになりたいです!!って熱く叫んだら普通に追加登録できるんですって。一安心して、早速追加登録したわ、勿論。


彼から手紙や花束が届くたびに、兄様が高笑いで燃やしていたけれど何だったのかしら?ギルドのお仕事やお勉強に忙しいから『僕に任せておけ!』という兄様に丸投げさせて頂いたわ。彼、しつこいから相手をするのはもうウンザリなんですもの。



14歳の春に学園に放り込まれてしまったわ。お父様は何度も言っただろ!とプンスカしておられたけれど、そうだったかしら??飛び級して早く帰りましょ。


入学試験で座学一般は満点、お蔭でかなりの単位を一気に貰えてしまったわ♪剣と馬の試験も申請しておいたから受けたけれど、教官の弱さに仰天よ。弓の試験どころかカリキュラムに存在しないなんて…!


夏期休暇でお家に帰ったら、お父様が珍しく殿方を紹介なさったの。いつも良く効く傷薬を作ってくださってる方なんですって~。さっさと単位をかき集めるつもりが、この学園の蔵書量に目が眩んで道草をお腹一杯に貪ってしまったわ。



15歳でめでたく学園卒業よ!自由の身、万歳!!学園至上二番目の快挙らしいけれどあまり興味無いわ。でも、お父様とお母様が大喜びしてくれたのは嬉しいわ!


卒業記念旅行に西の国まで魔物狩りしてきたわ。綺麗に仕留めるのってホントに難しいわねぇ。いつか、綺麗に仕留めてお父様にプレゼントしたいのだけど、いつになることかしら。うーん、精進あるのみ!ね。

帰国したらウェルニックさんが遊びに来てたから、魔物が綺麗に仕留めれない話をしたら『普通の剥製』をヒントにしてみれば?ですって!目から鱗だわ!



16歳の誕生日には帰っておいでと念押しされていたから、ギリギリ前日の真夜中に帰宅できて良かったわ、セーフ♪


誕生日プレゼントって、幾つになっても嬉しいわね。それに、今年は私からもお父様にプレゼントがあるのよ!!

綺麗に仕留めた魔物の剥製をお父様にプレゼントしたら、お父様が気絶してしまったわ。そんなに嬉しかったのね!!


お父様ったら、剥製を王家に献上しちゃったのよ。酷いわ~。でも、あの剥製があるとネネコやウマコが怯えるから仕方ないのかしら。しょんぼりよ。



17歳でお見合いして、そのまま婚約したの。うふふ。

婚約者はウェルニック・フォルベールさんよ。うふふ。

実は結構前から好きだなぁって思ってたから嬉しさ満点よ!うふふ。お母様に相談していたら、お見合いの席を用意して貰えたから勢いで私からプロポーズしてしまったわ♪うふ、うふふふふ~♪



18歳で引退宣言したら、これまでの功績がどうのこうので【ギルドプレート】が貰えたわ。可愛くないけど、これって便利なのよね。良い嫁入り道具になるわね♪

ウェルニックさんと気軽にデートできる距離じゃないから、お手紙をせっせと書いて居るけれど…自分で届けに行っちゃうから結局は押しかけデートしちゃうのよね~ウフフ♪


フォルベールのお母様は押しかける度に大歓迎してくださるのよ♪誰よ、嫁姑確執全集なんて嘘八百の本を読めなんて勧めてきたの。ちっとも役に立たないわよ。

私とフォルベールのお母様の仲の良さは、ウェルニックさんが焼き餅を妬くほどなんだからね!…あ、嫁姑確執全集はウェルニックさんから貰ったんだったわ。ニョホホ。



19歳で結婚したわ、幸せよ~、溶けちゃうくらい幸せ~♪

お父様はウェルニックさんに『娘を宜しく』なんて此方が泣いてしまうような事を仰るし、お母様は私の花嫁姿を大泣きして喜んでくださるし。私、お父様とお母様の娘に生まれて本当に良かったわ!


一つだけ、結婚で後悔していることがあるの。


私の大親友ユルターナと時期が被ってしまって、お互いに参列できなかった事。これだけは本当に後悔してるわ。


かわりに絵姿を交換したけれどね~、やっぱり親友の一生に一度しかない一番綺麗な姿は生で見たかったし、見て欲しかったわ。


********


悲しい事も、嬉しい事も。いつも私の傍らには夫が寄り添ってくれているわ。

結婚してから数年して息子2人、娘1人と子宝に恵まれたし、優しいお母様が天国へと旅立たれたりもしたわ。


病める時も健やかなる時も、この先もずっと。ウェルニックと一緒なら乗り越えてゆけると信じているの。



ご機嫌な子爵夫人ライフを満喫していたのに。




私の可愛くて利口でちょっと間抜けなところがプリティーでチャーミングな愛娘リュールが………………………お気楽な平民ライフを楽しんでるみたい。

うん、リューちゃんが幸せならそれで良いのよ~♪エルちゃんも一緒に仲良く元気にやってるもの、しっかり者の娘達で鼻が高いわ!



孫の顔を見るのはまだまだ先になりそうだけど。私は多分、長生きするから問題無いわね♪

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