入学
見事な桜並木を真新しい制服を着た少年少女たちが歩く
その表情はこの先に対する期待とほんの少しの緊張を表していた。
ふと、そんな彼らの視線が一点に集まる
その視線の先にいるのは少年、なのだろう
艶やかな黒髪は深海のようで肌は真珠のように白く滑らかでその瞳は蒼く、見ているものの心を離さないがごとく惹き付ける。
面持ちはどこか純真な乙女を思わせるがその身を包む真新しい制服は男子生徒のものであり、彼が男性であることを表していた。
失恋に涙を流す。または開けてはいけない扉に手を出す人々の間を颯爽と歩いていく彼はというと
(もう、おうち帰りたい)
泣きそうだった。
この世に生をうけ早15年。
厳しい受験競争を勝ち抜き俺は無事高校へと入学した。
前世がある分勉強が楽?そう思っていた時期がありました。
でも大体忘れてるから、理解が早くはなったけど苦手なものは苦手だし公式とか使わないから忘れるよ!
まあ、成績は上がったよあのよくわからない教科以外は
そう、前世と何一つ変わらないと思っていた今世。
ここは明らかに変わっていた
よくわからない教科『物語』
童話や昔話の作者や作品を学ぶ教科
様々な物語の知識を身につけることで巻き込まれた時に対応することが出きるようにするための重要科目。
つまりこの世界は国・英・理・数・社・物の6教科が主要科目なのである。
では何に巻き込まれるか
それは『物語』『世界』『運命』
この世界は物語が実在する
多くの人々に認知され、心を揺り動かし、愛され、語り継がれてきた物語たちが
オモイを得て、カタチを成し、世界へと顕現する
創作は現実と混じり『世界』に成る
けれど『世界』は時に歪みを産む
その歪みに巻き込まれた時に逃れるために必要な知識を学ぶ
それが『物語』である