最期の光景
いたって普通の人生だった。
普通に小中を過ごし、高校は近くて今の学力で行けるからという理由で受け、同じく大学もなんとなくで決定。
就職難だからとにかく片っ端から面接面接面接
受かった中からまあいいかな?という会社を選んだ。
地獄の就活もやっと終わりちょっとしたお祝いとして普段あまり飲まない少しいい日本酒を呑んだが、どうやらあまり体に合わなかったようですぐに酔ってしまった。
そういえば日本酒はいつも飲む洋酒より度数が高かったか、飲みやすくて少しハイペースに呑みすぎたかもしれない。
少し足元がふらつきながら家路につく
はたから見たら酔っぱらいにしか見えないだろう自分の姿は、昔自分が顔をしかめて見ていた酔っぱらいのサラリーマンと同じなんだろう。
子どもの時、大人は完璧だと思っていた。20歳が大人に見えて自分が20歳になったら何でもできるようになる。
そんな風に思っていた。
でも実際はそんな劇的には変わらない。結局何歳だろうとそれは自分の積み上げてきた延長線上の自分でしかなく、なんとなくで生きてきた自分は20歳を過ぎてもなんとなくな自分にしかならない。
酔っているからだろう。変なことを考えている。
ああ、やり直したい。最初からやり直せば今の自分と違うはずなのだから。
もっと遊べばよかった
もっと考えればよかった
もっと勉強を頑張ればよかった
もっとたくさんの人と話せばよかった
もっと、もっと、もっと―
後悔ばかりが押し寄せる中、最期に眩いまでの光を見た。