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ラブレター
想いをしたためた手紙。それは淡い恋心。
少年は手紙をポケットにしまい家を出る、想い人とすれ違ういつもの場所へ。
いつもと同じ時間同じ場所、想い人は現れる。
それはいつもと同じ光景、けれど少年だけは違った。
ポケットの中の手紙を掴み顔を上げる。
この手紙をあの人へ・・・
そう決心した瞬間、少年の心に不安がよぎった。
もしも手紙を受け取ってもらえなかったら?
もうすでに恋人がいるとしたら?
待ち伏せしてたことを気味悪がられたら?
ストーカーだと思われたら?
大きく膨らんだ不安は少年の足を止める。
そして通り過ぎていく想い人、それはいつもの光景。
立ち尽くす少年は大きな溜息をついて呟く。
「あぁ・・・今日も渡せなかった・・・」
手紙ってほとんど書かなくなりましたね。
想いを伝えるならメールよりも手書きの方がいいって
昔何かで聞きました。渡せなかったら意味ないですけどね(笑