ポーカー
「私と賭けをしない?」
たまたま入った酒場の中央のテーブルに座っていた妖艶な美女が俺にそう言った。
テーブルの上にはワインのグラスとトランプ。
「賭け?」
「そう。ポーカーで賭けをしましょう?」
「賭けるっ何を?」
「”命”よ。」
美女の言葉に思わず息を呑んだ。
「私が勝ったら貴方の命を頂戴。貴方が勝ったら私の命をあげるわ。」
「・・・それは、人生ってことか?」
「そうね・・・」
それはつまり、賭けに勝てばこの妖艶な美女が手に入るということだ。
負けたとしても立場が逆になるだけ・・・悪い話ではない。
俺が承諾すると、美女はトランプをカットして配った。軽い緊張が走る。
「・・・ストレート。」
「残念ね。4カードよ。」
俺が出した手札より強い手札を出して美女が勝利した。彼女の勝ちだ。
美女は立ち上がった俺に抱きつき首をゆっくり撫でた。
「いただきます・・・」
耳元で美女の声を聞いてふと気がついた。
どうして夜なのに酒場に客が一人もいないんだ?酒場の店主さえ見当たらないのは何故だ?
そう思った瞬間、首に鋭い痛みが走った・・・あぁ・・・気づくのが遅すぎた・・・
ギャンブルは時に痛い目にあう(違)