二:考
決行に移る為の準備期間
やっと機会が生まれた。 耐えて耐えて、やっと今。 まずはすべてを思い出すのよ、元々トラウマとかまで考えが思いつかない低レベルな屑にそこまで頭は回らなかったのだもの。
私に対して様々な行為をぶつけてきた人数は全員で・・・14人ね。 その中で一番簡単なのからいきましょうか。 全部調べきったわけじゃないけれど、10人くらいは調べたから・・・この中から選ぶなら、こいつになるかしらね。
村上修吾
現在24歳―
大学卒業後、中堅の「山神製紙」に就職。 2年で平社員から次長にのぼり、入社当時から会社の重役に一目置かれている存在―
彼女がいて、その子は一緒の会社の社員。 同期ではなく、先輩にあたる―
私に暴言と、暴力。強姦の時、そばに居た人物の一人。 でも私に触らなかった―
こんなものかしら。 これくらいなら、簡単なプランは思いつくわ。 そのまま返すなら、暴言と暴力。 強姦は・・・彼女に向けるのもアリなんだけれど、こいつは見ていただけ。 だったらそれは勘弁してあげる。 その代わり、過去の話は一語一句漏らさず彼女に伝えてあげる。
私に吐いた暴言。 殴った、蹴った箇所。 私を犯したやつと一緒にいたことも。 後、そいつらとまだ関わりがあることも。 ついでと言っちゃなんだけど、嘘も軽くあてておきましょうか。
「あなたもその被害者になるかも。 今そういう計画が組まれているみたい。 その計画のためにあなたに近づいた」
そういう風に言ってあげましょう。 楽しみね。 普段優しい彼氏が怖くて好意で見れなうなった瞬間の目を早く見たいわ。
そうそう、あいつの人生を二度と戻せなくなるようにもしなくちゃいけない。 うかつだったわね、当時の写真や動画等の記録があるかどうかの確認をしていない。 あいつらは写真と動画を撮っていた。
それは・・・そうね。 まだある。 ここ最近音沙汰ないけれど、学校を卒業してから数回それで脅そうとしてたものね。 無視していたけれど、まだ持っているはず。 そしてそれを管理しているのは村上。
やっぱり最初にこいつを選んだのは正解。 人生を崩した後、それをもらっていくいい機会だわ。
あの屑どもは調子に乗って何等かの機会に関わった全員で写真を撮っていた。 それさえ残っていれば、説明の後にそれを会社の重役全員に見せたらあいつは一発ね。
そういえば、もう一人一緒の会社に勤めているやつがいたわね・・・。 たしか、
西里雪菜
現在23歳―
村上の口添えで就職が決まり、秘書のように村上について仕事をしている―
こいつの彼氏は村上の部署の上司の敏腕で、つながりもあるのであいつの彼女とも仲が良い―
こいつも実質な行為は行っていないが、しいて言うなら暴言。 後はただその場で笑っていた馬鹿だ―
最早返し方は「ついで」だが、それくらいでいいだろう。 私自身それでいいや、と考えている相手なのだから。
さあ、善は急げ・・・じゃないわね。 讐は急げ、で行きましょう。 でも焦らないように、相手から見たら突発に見えるように。 ゆっくり焦らず行きましょう。 あの馬鹿どもは、屑どもは逃げないわ。
一点の光以外暗闇の中で、整った顔が禍々しい笑みで歪まれて魔の境地へ達する頃には、あたりに高く小さく響く含み笑いが這う様に広がる。
書き始めると、怖いものでも楽しく感じるのは色々末期な気がするのですが・・・(汗)