序:我慢
今回は私の小説ページを開いて頂き、ありがとうございます
更新はまばらになると思いますが、どうぞ楽しめ! 楽しんで行ってくださいねw
う……嘘だ! 嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! そんなわけない……、そんなことあって……
「あってたまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「残念♪ これは現実。 だから『ある』んだよ?」
午前四時十四分。 ほんの少し外に明るさが戻ってきており、町の一角にその暁加減にそぐわない惨状が広がっている。 少女が刃渡り二十センチから二十五センチほどの刃物を持ち、一人の……一体の遺体の前にたたずんでいる。 少女は両腕を交差させ、己の肩を抱くように手を添えた。
「ふふふふふふふふ♪」
笑いながら遺体と刃物を交互に見る。 遺体 刃物 遺体 刃物 遺体 刃物遺体刃物遺体刃物
「あなたが悪いの。 全部。 いえ、あなたと他にもいるわ。 みんなには申し訳ないけど、最初のあなた以上に苦しんで、もがいて、泣いて、足掻いて、許しを請いて、一筋の希望を見せて、ゆっくり殺してあげる♪」
遺体を見て、彼女は微笑みながらそう言う。 そして、刃物に付いた血を指でなぞる。
ちらっと遺体を見た後、投げ捨てるようにそれに刃物を突き刺し彼女はその場から去って行った。
この遺体が誰かしらが発見し、警察、ニュース等のマスメディアにさらされるのはこの日から約3週間後のことだった。
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「__次のニュースです。 昨晩午後九時頃、__県__町で女性の遺体が発見されました。 被害者の身元はまだわかっておりません。 被害者は背中、腹部、腕等、あらゆる箇所に刺し傷があり、凶器は刃渡り二十センチほどの包丁のような刃物だと思われます。 この事件は以前__町で起こった事件に非常に酷似しているらしく、警察は同一犯による犯行と視て捜査を進めています。 相田さん、この事件は被害者を滅多刺しにしているということで、かなりの恨みを持った犯行かと思われますが、どう思われますか?」
「そうですね、この事件は執拗に被害者を滅多刺しにしている、尚且つ凶器の刃物が中々大きい点を見ると、計画的な犯行と考えることが出来ますね。 そして――」
小さなブラウン管のテレビがブツンという音をたて、画面を黒にした。
「……」
テレビの前の男がただただ突っ立っていた。
「……次は誰なんだ」
男が呟くと景気よくインターホンの音が部屋に響く。 現在午後九時四分。 男が玄関のドアを開けると、笑顔の女が立っていた。
「こんにちは。 久しぶりだね♪」
「お前は――」
書いた本人が言うのもなんですが、憎悪って恐ろしいですね