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龍王の加護  作者: 仙幽
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第五十話:先に…

──もぅ。飛那ったら…怪我ばかりして。傷もこんなに残って…。


傷が残るくらいなんて事無いわよ。それに、私が戦わなきゃ、みんなが怪我をしてしまうし。


──飛那。私達だって足がないわけじゃないわ。走って逃げることできるよ?


追いつかれるのが関の山だわ。


──も〜っ飛那…もっと信用して?私だって石を投げることぐらい…


ふふっ。ごめんごめん。心配してくれてありがとう

マナミ──



「…マナミ…」


空に浮かぶ青光。

月が霞むほどの。

静かに…静かに美しい光。


マナミは飛那から五歩の距離に降りた。

地面に降り立つその様は、あたかも天女を彷彿させる。


「…マナミ?どうしたの?……その光は…」

「飛那…」

マナミが初めて口を開いた。

「マナ─」

飛那はマナミに近づこうと、一歩足を踏み出した。

その時──

「…飛那。…私…タノシイ・・・」

「!?っ!!!」


マナミの放つ光が一層強くなった。

影すらも吹き飛ばすような爆発的なその光に飛那は目を覆う。

「──マナミ…」

長年の勘と、経験と、更には激しい戦闘後でなかったら…。飛那はほぼ反射で避けた。

マナミの青白い光の魔力の塊を。

魔力の塊は、一瞬光が消えたかと思うと、激しい振動と共に辺り一面を飲み込んだ。

自分の真後ろでの出来事に飛那は、唖然としたまま、マナミを振り返る。

「──マ…ナ…?」

──どういう事?この…力は…何?


マナミはただ笑っている。だが、その笑みは病的だった。

目に生気がない。瞳の輝きが失われている。笑みを作る形のいい口元にも力がない。

飛那にとってこんな悲しいことはない。今まで救われてきた、あの笑顔が、病んでいる。

「飛那。」

「マナミ…?」

「死・んで…」

「──マナミィーー!!!!」




──クァーッ!!!クァックァーッ!!!

キリトを精鳥に乗せ、龍王国へいざ乗り込もうとしたとき、精鳥が突然、鳴き出した。

「ちょちょっ……どうしたの!?精鳥??しっかり飛んでよっ!」

蛇行に飛び回り、龍王国へ向かうのをいやがる精鳥を、シアは必死になだめる。

「いったいなんだってのよ。早く飛那の所に行かなきゃならないってのにっ!!ねぇお願いよ!行ってよ!」

精鳥に話しかけるシアに、‘上から’声がした。

羽音はしないし、機械音も、魔力も感じない。なのに、飛んでる精鳥の上から声がする。

シアは上を向いた。



「精鳥を操る…」

──ひ…と─!?

「巫女を継いだか…。」

──それよりも…

「お前がシア=ミナミ・ルシルフルか…。」

──銀髪…龍…騎


「シア!!」

イシズが叫んだときには既に遅く、シアは精鳥から落とされていた。

キリトがすかさず叫ぶ。

「精鳥!!シアを…」

「行って!!大丈夫だから!!」

「ばっ…何言って!」

「私は跳べるから!先行って!」

シアはそう言うなり、口笛を吹くと、精鳥は、今まで龍王国へ行くのを嫌がっていたとはとても思えないほどあっさり、龍王国へ向かって翼を翻した。

「おい!!戻れ!シアが…」

「キリト。シアは大丈夫だよ。私達は先に行こう」

「…イシズ?」

「シアには魔力があるから、むざむざ地面に激突する事はないだろうし、跳べるから、精鳥がいなくても龍王国に行けるよ。だから私達はシアの心配より、飛那とマナミを優先しよう。」

キリトには魔力が無いので、良くはわからなかったが、シア自身が大丈夫だと言っていたし、イシズも大丈夫だと言うので、無理矢理納得した。

「…分かった。なら先に行こう。」

宙に浮き、シアを突き飛ばすなり姿を消した銀髪の人物も気になったが、キリトとイシズは龍王国へ……マナミと飛那の元へ向かった。




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