8話
ONな世界 8話
わからないことが多すぎる・・・・
戦闘を終えて安心した後、初めての感想がそれだった。
はたしてこの世界は本当にゲームの世界なのか?
魔獣と戦って怪我もなく生き残れたことは感謝しているが、僕は確かにあの蛇の魔獣に
噛まれたはずだ。
あの大きさの蛇に噛まれたにも関わらず、僕は蚊に刺されたほどの傷すら残っていなかった。
それどころか、一撃であの大きな蛇を両断してしまった。
地面に亀裂を残すというおまけまで残して。
ただ、あの魔獣を両断したときの生々しい感触、血の匂い。
呆けていなければ僕は吐いていたかもしれない。
冷静になって考えてみると改めて寒気がした。
「あの・・・少し聞いてもいいですか?」
僕が歩きながらエルフの女性に尋ねると女性は歩きながら顔だけ振り返った。
「なんでしょうか?村まではあと少しですよ。」
「いえ・・・違うんです。」
僕は今までこのゲームで起きたことを事細かにエルフの女性に話した。
そして捲し立てる様にエルフの女性に聞いてみた。
彼女はずっと黙って僕の話聞いていた。
「ここはどこなんですか?
ゲームの中なんですか?あなたはプレイヤーなんですか?
それともここは現実なんですか?
僕は解らないんです。
ここが現実なのか、そうでないのかすらわからないんです。」
僕は泣いていた。一気にいろんなことを話して感情が昂ぶってしまったらしい。
エルフの女性は蹲って泣いている僕に、優しく抱擁をしながらやさしい口調で話し始めた。
「大丈夫ですよ。大丈夫。
もう少しで村に着きます。
今のお話、村の長老の前でもう一度していただけますか?
私にも判らないことが多すぎるんです。
ですが一つだけ言えることはここは間違いなく【現実】です。」
エルフの女性は僕を頭を撫でながら静かに言った。
僕は現実だということ知り、しばらく泣き続けてしまった。
「そうですか・・・・【現実】ですか・・・。」
僕はそう言い終えると涙を拭って凛とエルフの女性を見た。
「泣いてばかりいちゃ格好悪いですね。
でも少しすっきりしました。本当にありがとうございます。
ここが【現実】であることは間違いないみたいですね。
もう大丈夫です。」
僕は現状を受け入れることにした。
どうやらここはゲームの中ではないようだ。【現実】だ。
俄かに信じがたい部分も沢山ある。
だが受け入れてしまわなければ心が壊れてしましそうだった。
「もうすぐ村に着きます。
もう日が暮れてきたので少し急ぎましょう。
お話は私の家でまたゆっくり聞かせてください。」
そう言い終わるとエルフの女性は僕の手を取って歩き出した。
僕は覚悟しなければいけないのかもしれない。
この世界で生きていくことを。
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少し重たくなってしまった。
ノリで書いているので予定は未定です。