3話
ONな世界
僕が左肩を2回叩くと目の前に半透明なウインドウが開いた。
ステータス、アイテムボックス、アビリティ・・・
そのほかにも色々書いてあるが、ナビゲーターの指示通り、まずは
アイテムボックスを指先で押してみる。
するとウィンドウが移り変わり、アイテムボックスの中身が表示された。
一番上にビン(水1ℓ)と書かれ、左側に小さな水の入ったビンが表示されている。
「これかな・・・」
と僕は呟きつつウィンドウの中の水の入った瓶を触ってみた。
ポンっという小さな音とともに、半透明なウィンドウの向こうには
水がなみなみと入った透明なビンが具現化していた。
「具現化できたようですね。このゲーム内では実際に食べ物を食べたり、
水を飲んだりできます。
味覚を含む人間の五感はすべて感じる事が出来ますが、お腹が空いたり、
のどが渇いたりすることはありません。
娯楽の一つとして、このゲームでは食事を楽しむことができますので、
世界各地の様々な食べ物を探してみてください。
ウィンドウの右上にある【×】を押すとウィンドウは閉じる事が出来ます。」
ナビゲーターが言い終わると同時に僕はウィンドウを閉じた。
早く足元に具現化したビンの水を飲んでみたかったのだ。
栓を抜き水を飲んでみると、よく冷えていてとてもおいしかった。
味覚やのど越しまで見事に表現されており、ここがゲームの世界かどうか
分からなくなるほどだった。
「それでは最後にあなたの種族とその特性を説明します。」
おっとそうだった。僕はまだ自分の種族を確認していなかった。
「あなたの種族は【人間】です。
人間は大きな特色はありませんが、すべての種族の特性を使える可能性を
持っています。
ただし、能力値が熟練するまではとても低いので最初は苦労するかもしれません。
が、努力次第では英雄にもなれます。」
僕は思わずう~ん・・・と唸ってしまった。
(せっかくのゲームなのに普通の人間になってしまった・・・
どうせなら竜とか悪魔とかがよかったなぁ~・・・)
だが、ウィンドウを開いて自分のステータスを確認すると
思いもよらない表示に僕は目を疑った。
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まだ本編に入れない・・・。
次話からかな。