2話
ONな世界 2話
「次は操作説明です。」
ナビゲーターがそう言い終わると同時に目の前にいた自分が
自分のほうに歩いてきた。
身体を動かそうと思ったが身体が金縛りにあったように動かない。
すーっと溶け込むように、自分と自分が重なると僕はもう一人の
自分になった。
手足を動かしてみる・・・いつもと変わらない。
僕はこれで漸くゲームのキャラクターになったようだ。
するとナビゲーターが話し出した。
「体に違和感はありませんか?
何らかの違和感を感じた場合は右肩を3回叩いてください。
これはゲームを行う上でとても重要な動作になります。
これを行うと強制的に肉体と精神が分離され、真上から自分のキャラクターを
見るような状態になり、同時にナビゲーターと会話ができるようになります。
ログアウトする際もこの動作を行ってログアウトするので覚えていてください。
戦闘中はこの動作をおこなっても何も起こらないので注意してください。
それでは自分の右肩を三回叩いてみてください。」
僕は自分の右肩を三回叩いてみる。
(おおっ!)
先ほどの説明通りに自分自身を真上から見ているような状態になった。
「また肉体に戻る際は手元にある画面を操作してログインしてください。」
説明通りに眼前にあるパソコンな画面のような画面のログインのボタンを
押してみた。
今度は自分の体がすーっともう一人の自分に近づいていく。
重なったと同時に視点がもう一人の自分と重なる。
「これでログアウトとログインの説明は終わりです。
なおプレイ時間の3時間を過ぎますと強制的にこの状態になります。
この場合はどんな場合でも強制的にログアウトしてしまうので
ご注意ください。
次に体の動かし方の説明に入りますがよろしいですか?」
ぼくはそのまま、はい、お願いします。と答えた。
「では転移しますのでそのままお待ちください。」
ナビゲーターが言ったあと目の前の景色が大きく歪み始め、強い光を感じたあと
大きな岩が一つだけある、地平線が見えるほどの広さの草原に僕は立っていた。
何も着ていないことを思い出し、すぐに自分の体をみると、麻でできたような
シャツとなにか動物の皮でできたようなズボン、素材のよく分からないサンダルの
様な靴を履いていた。
そして腰には大ぶりの短剣がホルダーに刺さっていた。
わけがわからないでいるとナビゲーターが説明を始めた。
「今装着しているものはすべて私からのプレゼントになります。
初期装備ですが冒険を進めていくと、様々な装備がありますので、ご自身で見つけてください。
それでは身体を自由に動かしてみてください。」
そう言われて僕はまず、思いっきりジャンプしてみた。
ドン!!という音がなり僕はものすごい高さのジャンプをした。
地面には小さなクレーターができている。
「なんだこれっ!!!
うわっ!すげー高い!!超怖い!!!」
空中でジタバタしているとそのまま僕はお尻で着地した。
「いたた・・・くない?」
思わず痛いと言いそうになったが少しも痛みを感じなかったので僕はとても
不思議に感じていると、ナビゲーターの声が聞こえた。
「左肩を2回叩くと目の前にウインドウが開きます。
自分のステータスをみたり、自由に道具を出したりしまったりすることができます。
道具は自分の所有するものであれば自由にこのアイテムボックスに出し入れすることができ、
ほぼ無限に収容可能です。
ただし、自分が持ち上げられないものや特殊なアイテムは収納できません。」
先ほどの僕のとんでもないジャンプがなかったようにナビゲーターは説明を始めた。
「道具のしまい方は左肩を2回叩いたあと、ウィンドウの表示されている状態のまま、
しまう道具を持ち上げてください。
そのまま道具がアイテムボックスの中に移動されます。
道具を出す際はウィンドウ内でアイテムを選択すると目の前に具現化します。
なお、戦闘中はこのウィンドウは開きませんので、戦闘中に使う道具などはあらかじめ
具現化しておいてください。
それではアイテムボックスの中にある飲み物を具現化してみてください。」
さっきのジャンプは何だったんだろう?と思いながらも僕は左肩を2回叩き、ウィンドウを開いた。
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なかなか本編に入れない。
どうしようか・・・
まだプロローグみたいなもんだしなぁ・・・