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ONな世界  作者: 幸有
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14話

ONな世界 14話


 一度魔術をマナによって発動させた後は非常に楽だった。

後は応用だけなのである。言ってしまえば明確に魔術を頭の中で

イメージさえできれば、いとも簡単に魔術は発動する。


 それも先ほど試した風のマナを使った魔術に限らず、水、火、土についても

それぞれ簡単に発動できた。

ひょっとして僕は魔術の才能あるかもしれない。


 ただ魔術の明確なイメージを持つために、マナを集めた後目瞑ってイメージを

固めないと失敗する事が多かった。必要以上に大きな魔術が発動されたり、

きちんと発動されなかったりした。

 本来であれば自分で発動した魔術に名前を付けるとイメージが固まり、大きな

ぶれがなく発動しやすいのだそうだ。ただし、これには難点がある。


……恥ずかしいのだ。


 思い切って≪ファイアアロー≫と唱えながら火の魔術を発動してみた。

僕が今までゲームなどで見たり、使用したことのあるイメージ通りの魔術が

発動したのだが、アテナさんと二人しかいないこの場所で、更には

大木に向かって魔術の名前を叫ぶのは殊更恥ずかしかった。


心なしかアテナさんも笑いを堪えているような気がする。


 実際のところは、アテナは笑っているどころかとても感心していた。

これほどまでにマナと相性がよく、魔術に明確なイメージを持って

発動できる術者はそうそういない。


 アテナでさえ、魔術を使いだしたころはきちんと発動などしなかった。

初心者は魔術の規模が自分のイメージより小さくなってしまうのがほとんどなのだ。

その点、集めるマナの量といい、魔術の質といいコウキは天才と言っていいほどの

上達ぶりである。


 本人も面白がって様々な魔術を使い始めている。

アテナが見たこともないような魔術も色々と使っていた。たとえば雷の魔術。

この魔術はコウキにとってはゲームの中などでよく見かけ珍しくはない。

しかしアテナの様なこの世界の者にとってはとても珍しいのだ。


 コウキは雷の魔術は水のマナと風のマナを混ぜて使っている。

混ぜるだけであれば魔力をもつ者でればほとんど誰でもできるのだがこの雷の魔術を

使用する者はコウキ以外にはこの世界にはいないだろう。


何故なら科学のあまり発達していないこの世界では雷の発生する原理が確立されて

いないからだ。


コウキはもちろん知っている。

雷の発生原理は上空の水分(氷)同士が擦れ合った時に生まれる静電気が膨大な量に

なったものが雷である。これを知らないと雷という魔術は発動しないのだ。


誰でも静電気は身近に感じたことがあり、知っているが雷と静電気が本来は同じもの

ということが想像しにくいため、雷の魔術を使用する妨げになっている。

実際コウキがアテナにこの説明をすると、小規模ではあるがアテナも雷の魔術を

使用することができた。


 この世界の魔術はコウキにとって、無限の可能性を持っている。

何故ならコウキのいた世界にはゲームや小説などの中には魔法は存在し、容易に

イメージすることができるからだ。更には火や雷などの発生原理なども知っているため、

コウキが見たことのある自然現象についてはほぼすべて魔術で再現する事が出来るのだ。

試してはいないが台風や地震などもおそらく再現可能だろう。


今、コウキが面白がって試している魔術はこの世界の最先端の魔術よりも大分先をいっている。

しかもコウキは自分の魔力をほとんど使用していない。

マナによって魔術を発動しているため疲れすら感じておらず、際限がない。


 コウキは思いつく限りの魔術を試した。

しかし、うまくいかなかった魔術がいくつかある。


 まず一つ目が浮遊だ。これはコウキがどう考えても原理が思いつかない。

実際アテナにも聞いてみたが、浮遊の魔術は存在しないようだ。

風の魔術を使って、高いところから飛び降りた際に突風で一時的に身体を浮かして着地する

といった魔術は存在するのだが、ただ浮遊する魔術はないらしい。


 二つ目は光、もしくは闇の魔術だ。これも属性自体が見当たらず、マナを集めようと

世界にに呼び掛けても当然マナは集まらない。

即ち、自然界には光もしくは闇の属性のマナというものは存在しないようだ。

明かりについては火が代用され、家の明かりなども温度の低い火属性の魔術によって

明かりを供給している。単純に光属性といのはありそうだが無いとのことだった。


 三つ目は遠隔魔法である。自分の手から火を飛ばしたり、風を起こしたりすることは

可能なのだが、自分の手、もしくは身体に接していない場所に魔術を発動することは

できなかった。全ての属性においてこれは不可能だった。

どうやら魔力、マナは術者のイメージに密接な関係があり、術者から離れてしまうと

イメージが届かないようなのだ。


 それから、しばらくの間コウキは魔術の練習に励んだ。

コウキにとってそれは、とても楽しく充実した時間だったが練習場所の地形や景観が若干、

変わってしまったため、ちょっとした自然破壊をした気分だった。


森に向かってごめんなさいと謝り、コウキとアテナは家へと戻っていった。


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ノリで書いているので予定は未定です。

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