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ONな世界  作者: 幸有
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13話

ONな世界 13話


僕とアテナさんは村から少し離れた森の中にいた。

魔術の練習をするために民家のある村から少しだけ離れた場所まで移動したのだ。

やや開けた場所までいくと二人は足をとめた。


「じゃあこの辺りで練習をしましょうか。

 それではまず、基本の魔術から…」


アテナさんはそういうと、掌の上に10センチ程の小さな火球を作りだし、空中にゆらゆらと滞留させている。

その火球を正面の大きな木に投げつける様にしてぶつけた。


ボンっという音を出して火球は弾け、大きな木の幹に直径50センチ程の焦げ跡を作った。

「今のは自分の魔力を使って発動した火の魔術ですね。

 火というのは形や温度を想像しやすいので、発動が楽なんです。


 まずは自分の魔力を感じ取る訓練をしてみましょう。

 コウキさんは自分の魔力の波動はわかりますか?」


そう言われたがはっきり言って自分の魔力の波動など見当もつかなかった。

だがなんとなく先ほどの火の球をイメージし、掌に意思を集中すると体の力が吸われていくような感覚になった。


そして手に平の上に先ほどアテナさんが作ったような火球がゆらゆらと出来上がった。

しかし、大きさにかなりの違いがある。

僕の掌に出来上がった火球はおよそ1メートル程の大きさまでどんどん大きくなっていった。

しかも段々大きくなっていっている。


「これやばいですよね…僕は熱くないんですけど、凄く怖いんですが…」


そう言ってる間にも火球はどんどん大きさを増して、すでに僕の体より大きい。


「魔力を入れすぎです!!空に向かって投げるか霧散するようにイメージして下さい。」


アテナさんが焦ったように言っているので僕は慌てて霧散するようにイメージする。

すると僕の掌の上にあった火球は赤く色のついたマナに一瞬で変化し霧散していった。


今度は10センチ程の大きさの火球を明確にイメージして掌の上に作る。

間違いなく10センチ程の大きさの火球が出来上がり、ゆらゆらと浮かんでいた。

僕は嬉しくなって、少しアレンジをしてみようと考えた。


火球の温度をもっと上げていくイメージを浮かべ、火球に向かって集中する。

すると火球は普通の炎の色から少しずつ赤みを増していき、更に集中し温度を上げるよう

イメージすると、白っぽいような色の火球に変化した。


ひょいという感じで先ほどアテナさんが火球をぶつけた木に向かって投げると、僕の火球は

木を焦がさず、そのまま木を貫通し、着地した瞬間にかなり大きな火柱を上げた。

火柱を上げた後の地面自体も蒸発しかなりの深さの穴をあけて煙を上げている。


僕は一瞬で体中から冷や汗を噴出した。これはシャレにならない。

アテナさんも唖然として、何やら口をパクパクさせている。


僕は途轍もない疲労感に襲われ、強烈な貧血のように状態で立っていることもできず

その場に蹲ってしまった。


それをみたアテナさんは我を取り戻し僕に駆け寄ってきた。


「魔力の使いすぎです!!。あの火球にどれだけの魔力を注いだんですか!?

 あの様な火球の魔術は見たこともないです!」


少し興奮するように僕に言っていたが、気分が悪くてそれどころではなかった。

眩暈をがするのを我慢して立ち上がろうとするが足腰が利かない。


「魔力を使いすぎると、最悪意識を失ったりしますよ。自分の魔力量がわからない間は

 あまり大きな魔術は使わない方がですね。」


……もっと早く言って欲しかった。


確かに遊び心が出てしまったとはいえ、初めての魔術でこんなことになるとは思いもしなかった。

これからは気をつけなきゃな。


「少し休ませてください…」


僕は地面にへたり込んだまま、力なく答えた。

5分程休んでいると、漸く貧血の様な症状が治ってきた。

身体の奥の方のけだるい感じは残ってはいるが…


魔力ってどうやったら回復できるんだろう?と思っていると、大気中のマナが僕に周りに

集まってきた。


「ん?」


集まったと思った瞬間に色とりどりのマナが僕の体の中に入っていく。

しばらくすると、先ほどのけだるい感じが抜けていた。


「なんかマナが僕の魔力を回復してくれたみたいなんですけど??」


僕はわけも判らずそう呟くとアテナさんが答えてくれた。


「確かにいくつもの色のマナをを認識できるコウキさんならあり得るかもしれないですね。

 私も風のマナを吸収できますから。


 普通はそんなにすぐに回復するようなものでは無いんですが…。

 やっぱりコウキさんは規格外のようですね。」


アテナさんじっと考察するように顎に手を添えて考えていた。


アテナさんの言うとおり僕はやっぱり相当に規格外なのかな。

どんなゲームでも魔力が自然回復するのは時間がかかるもんだしなぁ…。

なんだかどんどん人間離れしていく自分が怖くなってきた。これって凄いチートじゃない?

魔力をほぼ無限に使えるってことだよね??


「あのこれって普通じゃ…ないみたいですね。」


凄い勢いでアテナさんに睨まれたので言い淀んでしまった。


「コウキさんは多分自分の魔力を使って魔術を発動させるよりも、マナを使って魔術を使った方が

 いいかもしれません。


 普通はマナの使える量や属性は限られるのですが、コウキさんはほぼすべてのマナを認識できる

 ようですから。


 じゃあ今度はマナで魔術を発動してみましょう。

 まずは私が風のマナを集めますね。見ていてください。」


そういうとアテナさんはすっと目を閉じた。

するとアテナさんの周りに緑色のマナが集まってくるのが見える。


「どうですか?私の周りに風のマナが集まってくるのがわかりますか?

 今私は世界に呼び掛けて、風のマナを集めています。


 この集まった風のマナに呼び掛けて魔術を発動します。」


すっと目を開けてアテナさんが手を前へかざすと木が倒れんばかりの強い風が吹いた。


「ここは風のマナの多い場所ですので風のマナは集めやすいんです。

 コウキさんも風のマナなら集めやすいと思いますよ。」


「じゃあ僕もアテナさんが認識できるように風のマナを集めてみますね。」


僕は眼を瞑り意識を集中した。

緑色のマナが集まるようにイメージしてゆっくりと目を開けてみる。

すると先ほどアテナさんが集めた風のマナの量とは段違いの量のマナが僕の周りに集まっていた。


「えっと…これはどうしたらいいんでしょう??」


あまりにも膨大な量のマナが集まってしまったため、僕は少しだけ怖くなっていた。


「発動する魔術のイメージを明確にすればそれ以上の魔術は発動しません。

 使わなかったマナは霧散するので、大丈夫です!」


それを聞いた僕は扇風機をイメージして、魔術を発動した。

僕の掌からそよ風がふわ~っとでたあと、ほとんど消費されなかった膨大なマナはあっという間に

大気に霧散していった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

最近忙しくて更新が未定になりそうです。

土日には書けるよう頑張っていきたいと思います。


ノリで書いているので予定は未定です。

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