12話
ONな世界 12話
寝室に入り一人になると、僕は改めて考えていた。
やっぱり僕は異世界に来たんだな…
元の世界に帰る手段も判らないし、これからどうしようか…
はっきり言って途方に暮れていた。
幸い、魔術に関しては並々ならぬ才能があるらしいので、それを使って生活を
していくことできそうだ。
いつまでもここでお世話になるわけにもいかないし。
まずは最低限生活できる程度のお金を稼ぐ手段を考えなきゃ…
またお世話になることになるけど、魔術の使い方を覚えなきゃならないな。
おそらく僕がこの世界で生きていくには、魔術が絶対的に必要になると思う。
いずれは旅でもして、元の世界に帰る方法も探さなきゃいけないし。
まだこの世界に来てから一日も経っていないんだよなぁ。
運よくアテナに出会えたから良かったものの一人だったらのたれ死んでたな。
アテナには本当に感謝だ。
僕がもし地球で見知らぬ人が困っていても多分助けたりしない。
ましてや素性も判らぬ輩などほうっておくだろう。
恩返し…しなきゃ…
やはりなれないことの連続で疲れていたのだろう
強烈な睡魔が僕を襲いそのまま僕は眠ってしまった。
気がつくと僕はアテナに起こされていた。
昨日のことがすべて夢だったなどということは無いみたいだ。
おいしい朝食を頂いた後、僕は包み隠さず、地球のこと、ゲームのこと、
僕自身のことをアテナとアテナの祖母に話した。
そうしなければいけない気がした。
二人とも始めは疑っていたようだった。
僕が真剣に二人に話し続ると漸く信じてくれたらしい。
まあ実際こんな話を信じろと言われてもなかなかすぐに信じるのは難しいと思う。
信じてくれたことにまずは感謝しなきゃな…
一通り話した後、僕はこの世界で生きていく上で必ず必要になっていくと思われる
魔法を教えてくれるよう二人にお願いした。
二人は快諾し、早速魔術の使い方を教えて貰うことになった。
まず、昨日話してくれた話の続きから教えてくれた。
この世界で魔術を発動する為に必要なエネルギー源となるものは、自分の魔力、
または色を認識できるマナを使用するということ。
色の認識できるマナは世界に呼び掛ける事によって自由に集める事が出来るらしい。
ただし、その土地の属性によって集まる量が変わるらしい。
あまり多数の色が認識できる者がいないため定かではないとのことだが…
自分の魔力は自由に色を変換できるということ。
これも個人や種族によって得手、不得手があるとのことだ。
そしてマナは色の変換はできないが、他の色のマナと混ぜる事が出来るということ。
ただし、これは2色以上のマナが認識できるものしか混ぜる事が出来ず、この世界には
その技法を使えるものは僅かしかいないらしい。
アテナの祖母(名前は先ほど知ったが、ルシアさんという)は混ぜる事が可能だが属性が『死』のため、あまり使用したことがないのだが。
そして一番重要なのが、魔術の使い方だ。
基本的には属性と魔術の効力を明確に意識すれば魔術は発動する。
だが使用するマナ、もしくは魔力の量が魔術の効力に対して下回っている場合は
魔術は発動せず、魔力は霧散してしまうらしい。
かといって膨大な魔力を魔術に注ぎ込むと効力以上に注ぎ込まれた魔力はこれも霧散してしまう。
効力と魔力量は魔術を使っていって感覚で覚えるしか手段がないため、効率よく
魔術を使うためにはそれなりのセンスが必要なのだ。
マナを集める方法は、世界に対して呼びかけを行うことで集める事が出来る。
ただしこれも所謂慣れが必要で、集めたマナを自分が使うために固定するのはちょっとしたコツが必要なのだ。
世界に対して呼びかけを行うことでマナを集め、マナに対して呼びかけを行うことで
マナを魔術に変換することができるのだそうだ。
習うより慣れろということで、僕は外に出て早速魔術の練習をすることにした。
アテナさんが近くで見ていてくれるそうなので安心だ。
恩返しを早くするためにも、早く魔法の使い方を覚えなきゃいけないな。
僕は気合を入れて、アテナさんと一緒に森へ出かけることにした。
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最近忙しくて更新が未定になりそうです。
土日には書けるよう頑張っていきたいと思います。
ノリで書いているので予定は未定です。