9話
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ONな世界 9話
太陽が沈み始めた頃、漸くエルフの村に到着した。
村自体の規模はそれほど大きくなくエルフの女性の話では300人程のエルフが
住んでいるらしい。
各々の家では夕飯の用意をしているのか、夕餉の匂いがする。
村の中でもひと際大きいこの家が長老の家のようだ。
「ここが長老の家です。
さあ、あがってください。どうぞ。」
家の中に入ると、天井近くに光る丸い物体が浮いていた。
光の精霊を使役しているとのことで、それ自体は一般的らしい。
「この人が私のおばあちゃんで、この村の長老です。」
おばあちゃんというには余りにも若々しい見た目だ。
せいぜい20代後半くらいにしか見えない。
「アテナ。この方は?
エルフ族ではないようだが・・・?」
突然の来客に少しだけ戸惑っている様子だった。
「あ・・どうもはじめまして。
杉田 幸喜といいます。
コウキと呼んでください。
あとでゆっくり説明しますが種族は【人間】です。」
僕は自己紹介した後、ここまでの経緯をアテナさんと一緒に説明をした。
どうやらアテナさんの祖母はいくつか思い当たる事がある様だった。
「そうでしたか。それは大変でしたね。
後ほど、私の知っている限りのことはお話しましょう。
ただお腹も空いているでしょうから、まずは夕飯にしましょうか。
アテナ。手伝っておくれ。」
そう言うとアテナさんと一緒に部屋の奥へと行ってしまった。
僕は一人になり、ぼんやりと天井を見つめていた。
(僕はどうなってしまったんだろう。
小説なんかでよくある異世界にでも来てしまったんだろうか。
でもそう考えるのが一番しっくりくるな・・・。
道中に出会った魔獣や魔術・・・。
どう考えても地球じゃあり得ないことばかりだもんな・・・)
そんな事を考えながらぼーっとしていると夕飯が出来上がったようだ。
「コウキさん。できましたよ~。
お腹減ってますよね?お口に合うかどうか分かりませんが
食事にしましょう。
沢山召し上がってくださいね。」
アテナさんがにこにこしながら、おいしそうな香りのする肉を焼いたものや
サラダのようなもの、パンなどを次々と運んできた。
どんな食材が使われているのか全く分からなかったが、このおいしそうな香りと
空腹には抗うことができず、僕は次々と口に運んでいった。
どの料理もとても美味しく、なんだか実家にいるような温かな味がした。
僕は思わず涙を零しそうになったが、にこにこと僕を見ている二人に、ただ
「とても美味しいです。」とだけ答えた。
この二人には感謝してもしきれない。
特にアテナさんは素性のわからない僕をここまで連れてきてくれ、更には食事まで
用意をしてくれた。
空いている部屋があるとのことで部屋まで貸してもらえるようだ。
僕は好意に甘えることにした。
この恩は絶対に返そうと心に決め、目の前の食事を平らげていった。
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なんだかとても普通な話になってしまった。
でもやっと主人公の名前が登場です。
ノリで書いているので予定は未定です。