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第2話「浮遊城の主」

前回のあらすじ

終焉の竜の覚醒により、Site-αは炎に包まれた。ISOは「次元断絶弾」で竜を異世界へ追いやるが、代償として巨大な次元の亀裂が出現。各地で異世界現象が多発し始める。レオンたちは東京に現れた「浮遊城」に注目する――

◇東京・新宿上空 午前6時17分


灰色の雲を突き破り、漆黒の城が浮かんでいた。その外観は中世の古城のようでありながら、所々に異世界の機械のような青い光が脈打っている。城の周囲には無数の魔導砲台が展開し、近づくものを威嚇するように砲口を向けていた。


「あれが『浮遊城アズラクール』……異世界の貴族が現実世界に築いた要塞か。」

レオンが双眼鏡を手に、地上から観測する。彼の横には、IBOのガルムとIRAのエリザが立っていた。


「問題は、どうやって中に入るかだな。」

ガルムが不機嫌そうに銃を担ぐ。前日の戦いで負った傷がまだ疼いている。


エリザは黙ってタブレットを操作していたが、突然画面が真っ赤に染まる。

「……っ!?」


次の瞬間、城から一本の光の柱が降り注ぎ、三人の眼前に着地した。光が収まると、そこには銀髪の騎士が立っていた。


「我が主君、アズラクール侯爵が汝らを招こう。」

騎士は深々と頭を下げる。その表情は無機質で、感情の欠片も見えない。


レオンは一瞬躊躇ったが、すぐに決断する。

「行こう。話があるなら、むしろ好都合だ。」



城内・謁見の間


分厚い絨毯が敷かれた広間の奥、玉座に座るのは黒衣の貴族――アズラクール侯爵だった。その顔は人間に似ているが、瞳だけが蛇のように細く、冷たい光を放っている。


「ようこそ、『管理者』たちよ。」

侯爵はゆっくりと口を開く。


「お前が『門』を開いたのか?」

レオンが真っ先に核心を突く。


侯爵は薄く笑う。

「違うな。我々はただ、『隙間』を利用したに過ぎぬ。本当に『門』を開いたのは……お前たちの方だ。」


エリザの目が鋭くなる。

「……『次元断絶弾』のせいで、次元の壁が弱まった?」


「賢い。」

侯爵が満足そうに頷く。

「だが、心配はいらぬ。我々は征服など望まない。ただ……『共存』を提案するために来た。」


「共存?」

ガルムが疑いの眼差しを向ける。


侯爵は手を叩くと、側近が奇妙な機械を運んできた。

「この『次元安定装置』があれば、両世界のバランスを保てる。ただし――」


「代償が必要だと?」

レオンが冷たく遮る。


侯爵の笑みが深まる。

「当然だ。我々が求めるのは……『この世界の魔法適性者』の10%だ。彼らを我が世界へ渡せば、装置を譲渡しよう。」


一瞬、場が静まり返る。


「……人を物のように扱うつもりか。」

ガルムの声が低く響く。


侯爵は涼しい顔で答える。

「選択肢はある。拒否すれば、次元の崩壊が進むだけだ。やがてお前たちの世界は、異世界の魔素に侵され、住めなくなるだろう。」


「それでも、交渉の余地はない。」

レオンが静かに宣言する。


侯爵の目が光る。

「ならば、これで終わりだ。」


彼の合図と共に、謁見の間の扉が閉じる――



緊急脱出


「クソ、罠か!?」

ガルムが銃を構えるが、周囲の壁から武装した騎士たちが現れる。


エリザが素早くタブレットを操作し、小型の次元転移装置を起動させる。

「3秒で脱出する! 離れるな!」


レオンは最後に侯爵を見据え、言い放つ。

「次に会う時は、お前の城ごと叩き潰す。」


光が三人を包み、次の瞬間には城外の地上へ転移していた。


「……あの装置、本気で使うつもりだったのか?」

ガルムがエリザに問う。


彼女は無表情で答える。

「もちろん、嘘よ。ただのブラフだった。」


レオンが空を見上げる。浮遊城は再び雲の中へ消えつつあった。

「奴らは本気で『侵略』を考えている。……戦争だ。」



夜 ISO本部


レオンは各国の代表者を集め、緊急会議を開いていた。

「我々は今、異世界勢力との全面衝突の瀬戸際に立っている。」


モニターには、世界各地で発生している異変が映し出される。

「浮遊城は東京だけではない。ロンドン、ニューヨーク、上海……全部で7つ確認されている。」


エリザがデータを提示する。

「侯爵の言う『魔法適性者』とは、異世界の魔素に耐性を持つ人間のことです。彼らを拉致すれば、こちらの戦力が減る一方か……」


その時、通信機が割り込む。

「緊急事態です! イタリア支部が『浮遊城』からの攻撃を受け、壊滅しました!」


室内が騒然とする中、レオンは静かに拳を握る。

「もう時間はない。……我々は『反撃』に移る。」


彼はエリザとガルムを見据える。

「お前たちには、特別な任務を与える。」

NEXT:異世界の神々の正体を暴け!

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