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第11話 農業だよ


 暇だったので、ゴブリンたちに名前をつけてみた。

 リーダーの名前はリンダにした。安直だろうか。

 そして一番力持ちで働き者のゴブリンはゴンザレス。

 一番顔がかわいい子はアンリ。

 一番おっぱいが大きくてスタイルのいい子がクレン。

 一番背の低いのがゴブチン。


 まあ、そんな感じで日々は過ぎていった。


 最近、ゴブリンたちが食料に困っているようだった。

 村長リンダの家で行われる集会では、毎回罵倒が飛び交っている。

 どうやら十分な食料が得られずに、みんなストレスを抱えているようだ。


 主に、ゴブリンたちは狩りをして暮らしている。

 だが、この森には狩りに適したモンスターや動物が少ないのだ。

 それもそのはず、この数年で、俺は周辺のモンスターにさんざん木の実をやったりしてきた。

 そのせいで、周りのモンスターといえば進化して人型になったやつらばかりなのだ。

 牛や豚のようなかんじの、食料に適した原始的な動物がかなり少なくなってる……。

 すまん……いや……すまん。

 俺、生態系ぶちこわしてるな……。


 まあ、中にはいろいろ食料に適した猪系のモンスターとかもいるにはいるのだが……。

 この周囲のモンスターはどれも強くて、大量に狩りをするとなるとそれも難しいのだ。


 なんとかゴブリンたちのためにできることはないかなと考える。

 でも、俺こっから動けないしな。

 あれ……ちょっと動ける……?


 俺は必死に手を伸ばすイメージで、根っこを操作してみる。

 すると、地面の下で、根っこを動かすこに成功した。

 根っこを操作して、根っこの一部を土から出してみる。


「おお……これはいい」


 根っこがくえりゃいいけどな……。

 俺の根っこって食えるのか……?

 なにかこの根っこが別の野菜にでもなればいいんだけど……。

 たとえばそう、大根とか。


 そう考えるていると、なんと俺の根っこが大根の苗に変化した。


 は……?


 マジか……。

 俺が想像したものになったぞ。


 試しに、他の根っこも動かしてみる。

 これはイチゴにしてみよう。

 すると、根っこがイチゴの苗になった。

 マジか……これすげえじゃん。


 俺は根っこを操作しては、地面から出して、いろんな野菜の苗にしてみた。


 そしてそれから数日。

 野菜はあっというまに収穫可能になった。


 ゴブリンの一人が、収穫可能になった野菜に気づいた。


「おい……! なんか野菜が生えてるぞ……!」

「そんな馬鹿な……!」


 よくわからないまま、野菜を収穫するゴブリンたち。


「どういうことなんだ……?」

「わからない……これも世界樹様の恵みか……?」


 そうでーす。


 ゴブリンたちは野菜を収穫して、食べてみることにしたようだ。

 ちゃんと食べれるのだろうか。

 不安だ。


「どれどれ……ん、おいしい!」

「おい、この野菜めちゃくちゃ美味しいぞ……!」


 どうやら美味しいらしい。

 俺の根っこは、万能の野菜に変身する謎の存在と化した。

 これにて食糧問題は一気に解決したわけだ。


 ゴブリンの何体かが農業係としてわりあてられた。

 まあ、俺が野菜をつくって、やつらはそれを収穫するだけなんだけどな。


 新鮮な野菜が手に入るようになったことで、ゴブリンたちは料理をし始めた。

 女のゴブリンが、スープやサラダを作っているのをよく見かけるようになった。

 どうやらかなりゴブリンの文明も発展しているようだ。


 これからも、彼らの動向を見守ろう。


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