片思い?両思い? その後
突然会いに来られた彼は驚いていた。
今月の半年の記念日。
自分の部屋を片づけて、飾り付けをし、給料だけでは足りないとアルバイトまで始めていた。
たまたま家に居て良かった、彼女が怒る姿が目に浮かぶ。
心でごめんと言いながら、口から出るのはキツい言葉だけで・・
あぁ、またやってしまたと思う。
会うのは嫌じゃない。
むしろ彼女が思っている以上に嬉しく思っているかもしれない。
メールも、来たときは顔がにやつくし
電話なんかじっとなんかしていられない。
冷静を装ってクールにきめているのは、かっこいいと思って欲しいからだ。
本当は自分からメールも電話もしたいけど、
何を書いて良いのか、どう声をかければいいのか・・・
「はぁ・・・・・」
でも今回は自分から誘いたい。彼女からなんて格好がつかない。
こんなに頑張ったんだ。
誘わなきゃ、意味が無いではないか。
ずっしりとする受話器の横でプレゼントがきらめいた気がした。
彼女の笑顔を浮かべつつ。
『・・・・・もしもし―――』