2章
あんま期待はしないで
晴れた空から突如降り出す雨。
雨は次第に強くなり嵐と呼べるくらいの強く激しい雨が降り始めた。しだいに海が荒れ、波が高くなる。
すると、船の底からドンッという鈍い音が聞こえた。だが俺はあまり心配はしていなかった。なぜなら、前にも言ったと思うが俺の船は超合金で出来ているからだ。さしずめ海を泳ぐ魚か小さなサメとでもぶつかったのだろう。
そんなことを考えていると、ガンッという音を立てて船が大きく揺れた。その衝撃でバランスを崩した俺はそのまま床に倒れ込んだ。
すると、次の瞬間
「安全装置が作動しました。自動運転を停止します。」
という、機械的な声が俺の船からした。
すぐに立ち上がり甲板へと向かうと、大きな壁に船が衝突していて、さすがの超合金製の船でも、スピードを緩めていない状態で壁にぶつかれば壊れてしまう。船は壁ぶつかって先端が欠けていた。
甲板に亀裂が入った状態の船をみると、まだローン払いきってないのに...とため息がこぼれてしまう。
しかし少し安心した。この程度なら少しバランスが悪いが問題なく走行できる。というか、そもそもこの壁は何だ?なぜ海のど真ん中なこんな壁があるんだ?いやその前にさっきは何もなかったはず…しかし何かの施設というわけでも無さそうだし...と、そんなことを考えていると突如壁が動きだした。
「!!?」
ただの壁だと思っていた物の上の方に巨大な瞳が現れた。
俺はパニックを起こしそうになったが何とか冷静を保ち、戦おうとはせずに船を走らせ陸に戻ろうと考えた。
すると、壁の下の方から大きな5本の指が生えたまるで人間のような手が現れたその腕が海面から出てきたことで大きな波が起こり船が大きく揺れる。
その手はその巨体に見合わない速度でこちらに向かって来ると、いとも簡単に船を持ち上げられ俺は船から転げ落ちた。
そのせいで水面に思いっきり叩きつけられる。痛い...しかしライフジャケットのおかげで溺れることはなかった。手は俺の船を握ると、バキバキという音を立ていとも簡単に超合金製の船を粉々にした。
こうなったらサイクロンの能力で一か八か応戦するしかない!
そこで俺は、風を身に纏い下方面に強力な風を起こし体を宙に浮かせる。今は雨が降っているし海の上なので幸い水は沢山ある。
高速で放たれた水は時に鉄をも切り裂く力を持ち、降り注ぐ無数の雨を弾丸にし、水の力で壁に向けて放つ。
普通の人間であれば簡単に貫く事が出来る程の威力だ。
しかしその大きな壁には通用しなかった。
ただ水滴がぶつかったようにしぶきとなったのだ。
次の瞬間、壁に付いた瞳がこちらを見た気がした。すると手がこちらに向かってきて俺の作る風など相手にもせず俺の体を握る。
「た、助けてくれ!やめろ!!!やめ...」そこまで言うと俺の体は巨大手に潰された。
頭だけが残り、1秒か2秒かもっと短いか、とても少しの間だったが意識が残っていた、その時見えていた空は憎い程に蒼く、澄んでいた。その時間はとても長く、苦しく感じた。
どーかな?