ペンギン編・新しい仲間
閉園後
「ねえ!」
ラルルが思い出したようにディノスに話かける
「なんだ」
「今日新しい子が来るんでしょ?」
「そうらしいな」
「会いに行こうよ!」
「え、めんど…」
「早く!」
ディノスがラルルに引きずられていく…
そこについて行くゆうか
「あったよ…」
三羽の目の前にあるのは小動物用のケース
「…鍵かかってるな」
そのケースには、チェーンがかけられていた
多分園長が開け忘れたのだろう
「はい、ペンチ」
どこから出したのかペンチをラルルに渡すゆうか
「ありがとゆうか」
「…」
ゆっくりと近づき
ゆうかが渡したペンチで
チェーンを切りににかかるラルル
「ぬっ…んっ…ぐぅ~!」
パキィィィン!
「開いた!」
浅く息をついてケースを見る
「…よく見えないな」
中は思ったより深く、仲間の動物がいるであろう奥は暗くなっていた
「はい、ライト」
「おう」
カチッ
中身が照らし出される
中にいたのは
丸い体と体からでる細いふわふわのシルエット
そして山のてっぺんの近くから飛び出るはっきりとした小さいモノ
「…ペンギン?」
でもヤケに小さい…
動いた!
こっちに近づいてきてる…
不安そうな目で見上げるその子
「こんにちは、あなたはペンギン?」
小さいフワフワペンギンは頷いてゆうかに抱きついた
「こんにちは、お世話になります」
「え?ちょっ…」
「ゆうかのことお母さんだと思ってるんじゃない?」
「はは、かわいいな!」
ディノスが触ろうとした瞬間
ペシッ
「…え?」
「お前は呼んでないです」
さっきまでのかわいい猫なで声とは変わり、高いが冷静な口調になるその子ペンギン
「はぁ!?ふざっけんな!だいたいお前誰だよ!ゆうかから離れろ!」
顔を真っ赤にして地団駄を踏むディノス
「僕はフレア、この方はゆうかというのですね」
ゆうかによろしくお願いしますと
かわいくおじきをする
「…俺はディノスだ」
「私はラルル」
「ディノスとラルルですね…」
二人の名前を呼ぶとラルルに近づき
「よろしくお願いしますっ」ギュ
その後ディノスに近づき
「よろしく」ギュ
ふわふわした暖かく柔らかいお腹が脚の根元に当たる
((か、かわぇぇぇぇ…!))
内心こんな感じのディノスとラルルだった