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春 - 5

 放課後、授業から解放された生徒の声に包まれる教室で雄一がゆったりと荷物を鞄に入れていると、

「よーユイチ、この前の試合また打ったんだってな」

 クラスメートの比嘉ひがが背後からヘラヘラしながら話かけてきた。

「打ってねえよ。4の1だぞ」

「でもタイムリーだろ? ほんとチャンスじゃ強いって、三組の両島りょうじまが誉めてたぜ 」

 両島とは、同じ野球部の同級生でポジションは二塁。ただ練習試合では毎回ベンチ入りしながらもの出番なしに終わるのがほとんどのくすぶり気味の選手だ。 

 比嘉はその両島と仲が良く、話の中で部活について話題になった時に雄一の事が話題に出たのだろう。

「俺、ストレッチ以外であいつと話した事ないんだが」

「淡泊だな~お前は。俺はサッカー派だからあんま知らんけど、野球もチームプレーだろ?」

「…俺はあんま守備つかねえから」

 この男は口が達者なせいでとにかく話が長い。悪気はないのだろうが、部活に遅れる訳にはいかないので適当にあしらって教室を出ようとする。

「自慢ぐらいしてくれよな~」

「ヒット一本で偉そうに出来るかよ」

 素っ気なく会話を切る雄一、比嘉にはこれくらいしないと話が終わらないのだ。当の比嘉はすぐに別の男子に話しかけている。別に気にしていないようだった。

 そんなものなのだ。

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