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二年目 春 ー43

 和中わなか、背番号十八。

 

 筑紫学院野球部の新二年生、サウスポーのピッチャー。

 

 地元で野球が出来ればと思っていた最中、隣の県から来ていたスカウトに目が留まり、特待生制度に釣られて入学した。

 

 しかし一年目の秋までは、ろくにベンチ入りも出来ず、補欠チームとして登板するに留まっていた。

 

 秋、やっと迎えた公式戦、一イニングだけ登板した和中は、打者三人をいずれも内野ゴロに打ち取ってみせた。


(あんなのまぐれだったのに、評価してもらえるなんて)


 選抜のメンバーに選ばれたのも、何かの間違いだと思った。


 あれよあれよと辿り着いた甲子園の舞台、正直緊張よりも戸惑いの方が強かった。


 だから、別に打たれたって仕方がない。


 でも、打たれるつもりで投げるのは、ピッチャーではない。


「開き直って投げろや、和中ちゃん」


 キャッチャーの木田が、リラックスさせようと軽く背中を叩いて声をかけてくれる。


「僕はずっと、そのつもりですよ」


 それに笑顔で返し、和中は内野陣が散っていく中、ロジンに手をかけた。


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