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秋 - 42

「セカンっ!」

 打ち上げられた球は、長い滞空時間の後、セカンドの鉄山のグラブに収まった。

「オッケーよく凌いだな!」

「っ……クソ」

 ピンチから二者連続でフライに打ち取りなんとか切り抜けた臣川だったが、無駄に球数を費やしてしまった事に苛立ちを隠せないらしい。

「臣川ぁ、まだ試合終わっとらんぞ。お前がそれじゃ見とるもんが気分悪なるわ、頭冷やさんか」

 監督に注意され一瞬ムッとした臣川だったが、我慢するように歯を食いしばって姿勢悪くベンチに腰をおろす。

「点取られた訳じゃない、こっから取り返してけるぞ!」

「おおっし!」

 雰囲気を変えるために旗川が声を上げ、チームメイトもそれに応じる。

 五回の裏、先頭の慶野は新場の真っ直ぐを打ち損じるも、相手サードがもたついている間に内野安打となる。

「ラッキーラッキー!」

 続く西沢はバントの構えで揺さぶり、四球を誘発する。

「荒れてきてんぞ! 繋げー!」

 ノーアウト一塁二塁と追い上げのチャンス、相手はすかさず伝令を送ってきた。

「ええか、日野、葵田、二人で一点取ってこい」

「「うっす!」」

 打席が回ってくる二人に激が飛び、二人は短く声を吐く。

 コールド制がある以上、点は少しでも取っておかなければ後々響いてくる。

 まず七番の日野がキッチリ送りバントを決めてワンアウト二塁三塁、一発で同点の場面で打席には葵田が入る。

「葵田ー! 球見ていけ!」

「半端に振るなよ!」

 激励が飛び、葵田は固い足取りで打席へ向かう。

 一方の雄一は小さく溜め息をついてから、近くに座る乃村にこう尋ねる。

「向こうの控えピッチャー、一人良いのがいたよな?」


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